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ANAHD、14年度は大幅増益、羽田枠拡大など寄与

  • 2015年5月2日

▽今期も増収大幅増益を予想、ただし利益は「日本航空と大きな開き」

 旅行事業の売上高は2.5%減の1690億円で、営業利益は3.1%減の45億円となった。海外旅行は羽田発着路線の拡大に伴い、主力商品の「ANAハローツアー」を拡充して日本各地からの需要を獲得。訪日旅行では台湾や香港からの堅調な需要を取り込み、取扱高は過去最高を記録した。一方、国内旅行はダイナミックパッケージ商品の一部を新会社のANAじゃらんパックで取り扱うことになったため、売上高は前年を下回った。

 そのほか、商社事業は訪日外国人旅行者の増加により、リテール部門が好調。売上高は15.2%増の1270億円となり、営業利益は22.6%増の40億円に拡大した。航空関連事業は空港地上支援業務の受託増などにより、売上高は18.0%増の2237億円、営業利益は228.7%増の90億円となった。

 16年3月期は、売上高は4.5%増の1兆7900万円、営業利益は25.6%増の1150億円、経常利益は34.1%増の900億円、当期純利益は32.5%増の520億円を見込む。ANAHDでは14年度からの3ヶ年に渡る「中期経営戦略ローリングプラン」の遂行に努め、事業構造の改善やコスト構造の改革などに取り組む考え。FSC事業については、国際線では首都圏デュアルハブモデルの推進でネットワーク拡充をはかるとともに、海外での販売を強化。国内線では需給適合に取り組むという。

 なお、平子氏は14年度の営業利益が過去4番目の好成績だったことを説明した上で、公的支援を受けている日本航空(JL)がその倍近い営業利益を上げていることを指摘、さらに純利益については、3倍から4倍の開きがあることを問題視し、「(公的支援の)影響は無視できない。今後の公平な競争環境のために、実効性のある競争是正策を」と要望した。