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ANAHD、14年度は大幅増益、羽田枠拡大など寄与

  • 2015年5月2日

ANAHD上席執行役員の平子裕志氏 ANAホールディングス(ANAHD)の2015年3月期(2014年4月1日~15年3月31日)の連結業績で、売上高は昨年4月の羽田空港国際線発着枠の拡大などにより前年比9.1%増の1兆7134億5700万円となり、過去最高を記録した。営業費用は事業規模の拡大に伴い燃料費が330億円増加するなど7.8%増の1兆6219億万円となったが、営業利益は38.7%増の915億4100万円、経常利益は56.4%増の671億2900万円、当期純利益は107.8%増の392億3900万円と、それぞれ大幅に増加した。

 4月30日の決算発表会見で、羽田の国際線発着枠拡大について振り返ったANAHD上席執行役員の平子裕志氏は、座席供給量の伸びに対して旅客輸送量の伸びが足りなかったことについては、「一挙に展開したことで、当初は決して好調とは言えなかった」と説明。しかし第2四半期以降は「お客様への周知も進み、良い状況になってきた」とした。成田を際際ハブ、羽田を内際ハブおよび首都圏需要の受け皿と捉える「首都圏デュアルハブモデル」については、「当初の目論見通り、数字に現れている」と総括。羽田での内際接続人数は前年に比べて約107%増加した一方で、成田では約13%減少したという。

 航空事業の売上高は8.8%増の1兆4846億円で、営業利益は25.0%増の816億円。そのうち国際線は、羽田の発着枠拡大に伴い、都心からのビジネス需要と日本各地からの乗継需要を取り込んだ結果、旅客数は13.8%増の720万8000人、旅客収入は18.5%増の4683億円で、ともに2桁増となった。座席供給量は19.4%増、旅客輸送量は16.4%増。利用率は72.0%で1.9%ポイント減少したが、客単価は4.1%増加した。

 国内線の旅客数は1.3%増の4320万3000人で、旅客収入は1.2%増の6833億円。7月の普通運賃改定や各種割引運賃の設定などをおこなったほか、羽田/中部線の開設などのネットワーク拡充で需要を取り込んだ結果、座席供給量は1.4%減、旅客輸送量は1.9%増、利用率は2.1ポイント増の64.1%となった。客単価は前年並みだったという。

 マイレージ附帯収入やバニラエア(JW)の収入、機内販売収入、整備受託収入などの「その他の収入」は11.9%増の1659億円。JWの旅客数は114万1000人、利用率は80.3%だった。平子氏によれば、JWは約30億円の営業赤字。しかし、「月を追うごとに業績は良くなり、2月には完全に黒字だった」という。今後は訪日需要のさらなる取り込みなどに注力し、今期の黒字化をめざす。

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