トップインタビュー:AAアジア・太平洋地区副社長 ペリラン氏

アジア/米国強化、JALと協力
羽田枠「有効活用」に意欲

-羽田については、一度撤退されてから再就航を希望されています

ペリラン 確かに、我々は2013年12月まで羽田/ニューヨーク線を運航していた。しかし、発着時間が制限されていたことで、東海岸への路線は非常に維持が困難だった。確かに、午前7時より前に羽田を出発するとニューヨークへは良い時間に到着できるが、その時間までに羽田に移動しにくい。逆に、出発時間が深夜となると現地着も深夜となり、CIQが課題となる。

 これは、羽田が昼間時間帯でも就航できればすぐに解消する課題だ。それが実現するまでの期間、選択肢は西海岸及びハワイのみとなる。

 我々が発着枠を返却したのは、それが貴重なものであるからだ。しかし、目の前でその貴重な発着枠が季節運航便という形で使われているのを見て、我々の方がより有効な使い方ができると考えている。


-他社からは、AAが成田/ニューヨーク線を運休する可能性が指摘されています

ペリラン まず、成田/ニューヨーク線について確かに我々は撤退したが、ジョイントベンチャーを通じてJLが2便目を追加している。

 ロサンゼルス線についても、JLとともに数多くのシナリオを検討しているが、それは公表していない。運航スケジュールなど路線計画の変更プロセスは非常にダイナミックであり、様々な可能性があり得る。

 例えば、ボーイングB787型機の納入が始まったことも検討に影響を与える。我々は同型機を42機確定発注しており、追加58機のオプション発注もしている。1月末に初号機を受け取ったが、年内に少なくとも12機のB787型機が納入される。こうしたことも踏まえてビジネスチャンスを検討している。

 最も重要なことは、羽田が旅行者から極めて利便性が高いと評価を得ていることだ。羽田の枠というのは、日米双方の航空会社にとって限られたものであり、それを与えられた航空会社は確実に有効活用しなければならない。もしそれが不可能なのであれば、我々がニューヨーク線でしたように枠を返上するべきだ。


-羽田の昼間時間帯については交渉の行方も定まっていませんが、もし就航できるとすればどの路線を希望されますか

ペリラン こうした状況にあるのは残念だ。日本と米国の経済関係の深さに今更言及する必要はないだろう。日本のビジネスパーソンは今、ほとんどすべての重要な貿易相手国に羽田から深夜早朝も昼間も渡航することができるが、米国だけはできない。

 有意義な交渉が始まる前から、すべての路線を羽田に移すようなことを要求するべきではない。羽田の発着枠は限られており、日系航空会社ですらその有限性に縛られているということを受け入れ、現実的な対応をしなければならない。

 昼間に就航できるようになれば、現在は地理的に不可能な路線も開設することができる。東海岸や内陸のハブを検討したい。


-ありがとうございました