JATA田川会長、15年韓国は双方向で地方観光、旅行会社の力示す

  • 2014年12月3日

▽KATA会長、地方観光の課題は航空路線、チャーター活用も

 韓国旅行業協会(KATA)会長の梁武承(ヤン・ムスン)氏は「地方活性化は日本よりも韓国のほうがより深い悩みを持っている」とし、地方観光を強化したい考えを強く述べた。韓国への旅行者は9割以上がソウルなど首都圏に集中しており、日本からの旅行者も同様の傾向と説明。その理由として、日本/韓国間の航空路線を挙げた。

 同氏は、日本の各地方から韓国への路線は多いが、仁川や釜山が主で地方空港への路線は少ないと指摘。官民連携で解決していくべき問題と語った。また、空路自体についても「(日本人訪問者数の減少で)座席は以前の66万席から10万席分が減った。こうした部分が両国の観光に悪影響を与えている」と懸念を示した。

 これを受けた済州観光公社社長の崔甲烈氏は、済州島へのアクセスが観光者数増にとって重要な要素であることを示唆。済州島ではチャーター便へのインセンティブ制度を積極的におこなっており、2008年にチャーター便が5ヶ国23都市だったところ、現在12ヶ国から54都市まで増えたことを紹介。2013年は海外から233万人が訪問しており、今年11月までの外国人訪問者数をみても前年比38.2%増の310万人と増加しているとした。

 ただし、海外からの訪問者のうち7割から8割が中国人で、日本人は2010年時点は海外からの訪問者の24%を占める18万人強が訪れていたが、13年は5.5%の12万8000人に減少。今年は8万5000人程度まで落ち込んでいるといい、「日本市場回復が必要」と述べた。今後は空路やクルーズ船でアクセスの改善をはかっていくとともに、韓流をキーワードにしたプロモーションを実施していくという。