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南ア、民主化20周年で観光客3倍に-日本市場好調、チャーター活用で新商品を

  • 2014年6月12日

日本市場は増加続く、チャーター便の活用も

アジアパシフィック地区リージョナル・マネージャーのブラッドリー・ブラウワー氏。「自然や動物、食や文化など南アには日本人が旅に求めるものが揃う」と話す  南アフリカへの観光客が増加傾向にあるなか、日本市場も好調に推移している。2012年は前年比30.9%増の3万4415人を記録。2013年も前年比22.2%増の4万2045人で過去最高を記録し、カーサ氏は「日本市場のさらなる成長を期待する」と期待を示した。

 SATアジアパシフィック地区リージョナル・マネージャーのブラッドリー・ブラウワー氏は、日本人の増加を踏まえ「日本人が何を求めているのか調査をし、これに基づいた新戦略を策定した」ことを明かした。その1つがチャーター便の計画だ。ブラウワー氏は「日本の市場では直行便が重視されるので、ジャカランダの咲く10月にチャーター便を計画している。実現できれば南アが日本にオファーできることが多くなる」と強調した。ジャカランダといえば首都のプレトリアが有名だが、カーサ氏は「半砂漠のカルー地帯にあるグラフレイネットはジャカランダが咲く期間が長く、発祥の地といわれている」と新たな訪問地を提案した。

2階建てなど豪華なブースも多く並んだ  もう1つは若者やスポーツ愛好家へのアピールだ。「調査によって日本の若者は冒険心が強いことがわかった。エレファントライディングやシャークケージダイビングなど南アはアクティブな若者に提供できる素材がある」とブラウワー氏。ケープ半島のツーオーシャンズマラソンや自転車レースのケープアーガスサイクルツアーなどのスポーツ大会も格好の素材と語った。

 また、SATでは現在、文化を知り現地の人と心を交わすことで南アフリカを感じてもらうプロモーション「ミートサウスアフリカ」を日本を含むグローバルで展開している。SATトレードリレーションシップ・マネージャーの近藤由佳氏は「南アフリカのイメージは自然、野生動物、さらに州ごとに異なる豊かな文化があるが、これに加え、実際に行った人が必ずあげるのが“人々”。温かく明るい南アの人たちと触れることで印象が残る」とした。それを表しているのがリピーター率の高さ。ブラウワー氏は「調査では70%の訪問者がリピーターで、南アがいかに人々を満足させているかを示している」と説明した。

会場では熱心な商談がおこなわれた このほか、マンデラ元大統領の観光素材についても日本市場に訴えていく考え。南アフリカで事業展開するトヨタ自動車などの企業の存在もMICE関連の渡航機会につながるため、積極的にアプローチしていくという。

 なお、カーサ氏は日本人が懸念材料としてあげるという、治安問題について言及。「W杯を開催したことで南アフリカに対する印象が改善された。政府はW杯前から治安対策に取り組み、今も維持している」点を強調した。最新の統計では訪問者への犯罪は減少しており、SATでもホテルなどに対し最低限の安全マニュアルを配布するなど、犯罪減少に取り組んでいるとした。