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トップインタビュー:JATA会長 菊間潤吾氏

2014年は飛躍の年、すでに土台は整った
休暇制度など取り組み強化へ

-昨年はチーム・ヨーロッパなどで需要やトレンドの創出に取り組まれました

菊間 チーム・ヨーロッパに関しては、参画していただいている方々からの評価は高い。昨年は欧州ツアーオペレーター協会(ETOA)の観光会議やWTMロンドンで日本市場にスポットライトが当てられるなど、日本にもう一度注目してWIN-WINの関係を築こうという姿勢が見えるが、我々が自ら動いているということへの向こう側のメッセージだと思う。

 チーム・ヨーロッパは第1フェーズを終えた段階。第2フェーズでは部会や参加する旅行会社の数を増やそうと思っている。現在はオフ対策とデスティネーション開発のみに取り組んでいるが、個人的にはあと4つくらい。未参加の旅行会社にも呼びかけて、みんなで研究して面白くしていきたい。

 この取り組みには他のエリアからも注目されており、要望もある。大いにやっていったら良いとは思っている。予算など課題はあるが、2014年に別のエリアでも取り組みが始まる可能性は大いにある。


-2014年の活動方針をお聞かせください

菊間 舞台は整えられたが、その先についてはJATAとして着実にやれるものだけでなく、運動を起こしても相手方の同意が得られなければなんともならないものもある。休暇制度や航空問題はまさにそうだ。業界の誰しもが望んでいることであり、引き続き実現に向けて声をあげて旗を振っていかなければならないが、一朝一夕では済まない。

 これに対して、会員各社のためになることをどんどんする、これは我々独自の形でできる。中小を含めた旅行会社の経営基盤が強くなるための教育システムなどをしっかり整えていくということは、すぐできる大切な課題だ。

 教育システムについては、いつまでにどういう講座を作り上げて活用してもらえるようにするか計画を詰めているところだ。旅行会社の社員がもっとプロフェッショナルになることができるような、各社共通の課題に合わせた講座を多数用意する。

 そして、T-EXPOを絶対的な成功に導くことがやはり一番大きい。単に2つのイベントが一緒になったというレベルに収めてはいけない。今のように色々な産業、分野で観光が熱く語られたことはかつてない。これを一つにまとめる求心力のあるもの、象徴的なものが必要だ。今年どれだけのものをお見せできるかによって、本当のオールジャパンが実現できるかが左右される。


-休暇制度への言及がありましたが、具体的な計画を立てられていますか

菊間 観光の経済効果を本当に発揮するためには、休暇制度に対して動くのが一番。地方の活性化についても、訪日の誘客も重要だが、休暇制度の方がより直接的だ。

 欧米並みにといっても難しいが、一定程度の有給休暇の取得を義務付けるとか、あるいは1週間、10日間くらいの長期休暇を1年に1回は与えなければならないといった義務付けをすることによって、安倍政権のいう豊かな日本に近づく。こうした義務が生じれば、会社を回すために雇用の必要性も生まれる。

 昔は経済界から反対も多かったが、今は観光立国について我々以上に声を大きく主張していただいている。タイミングはとても良い。あまりいっぺんに進めようとするのではなく、3段階くらいに分けて取り組んでいきたい。