カナダ、送客増への3つの期待-ランデブー・カナダ取材から

  • 2012年7月10日

ACのカルガリー線通年化で冬期需要の取り込みを

アルバータ州観光公社市場開発担当ディレクターの小西美砂江氏  ACは4月から成田/カルガリー線を増便するとともに、今年から冬も運航を継続し通年化すると発表している。これに対し、RVCでは座席供給量の増加を需要拡大のチャンスとみる声が上がっていた。CTC副社長のチャールズ・マッキー氏は、カルガリー線通年化で「オーロラを楽しめるデスティネーションへの接続の利便性が高まる」ことから、冬のカナダの需要増に期待を示す。

 アルバータ州観光公社市場開発担当ディレクターの小西美砂江氏は「カルガリー直行便を利用すれば、初日の午後にはカナディアンロッキーでスキーが楽しめる」と利便性をアピール。ACやCTCに加え、旅行会社ともジョイントキャンペーンを展開する計画だ。

 すでに今年100周年を迎える同州最大のイベント「カルガリー・スタンピード」を増便とからめてアピールしているが、今後は冬の旅行需要の取り込みをはかり、カナディアンロッキーでのスキーや、フォート・マクマレーでのオーロラ鑑賞などを訴求していく。新ブランドとして体験を訴える「Remember to Breath」を設定し、冬のキャンペーンとともに展開していく。

バンフ・レイクルイーズ観光局インターナショナル、アジア担当のルーカス・プロチャスカ氏  バンフ・レイクルイーズ観光局インターナショナル、アジア担当のルーカス・プロチャスカ氏も、通年化による冬の需要増に期待を示した。同氏によると、日本人のハイシーズンは夏。冬は「スローシーズンであるため、訪問者増加のためにプロモーションを強化したい」考えで、冬のアクティビティをアピールしていく。また、冬の犬ぞりやハイキングやスキーなどの体験をSECとして打ち出すことで、滞在日数も増やしたい考えだ。


関空/バンクーバー線復活を要望、西日本の需要取り組みへ

BC州観光局日本地区マネージャーの菊地友子氏  座席供給量が増加するなか、RVCでは「次は関空線」と、ACの関空/バンクーバー直行便再開を望む声もあがっていた。マッキー氏は、西日本の需要の取り込みを強化する考えを示しており、「将来的に直行便の就航を期待したい」考え。ACだけでなく、JLやNHが導入したボーイングB787型機もカナダ就航に適していると期待を示した。

 ブリティッシュ・コロンビア州(BC州)観光局日本地区マネージャーの菊地友子氏も、教育旅行やグループ、インセンティブツアーはもともと関西市場の需要が強いと述べ、「関空から直行便でカナダに出たいという希望は多い」ことから、需要は十二分にあるとの考えだ。

 旅行会社からは、「以前は400人レベルの修学旅行団体がカナダに訪問していたが、直行便がなくなったため、今はオーストラリアに流れている」との声があがった。ただし、今も関空からシアトルで乗り継ぎ、バンクーバーまでバスで移動するような修学旅行需要がある。西日本発のカナダへのチャーターも好調に推移しており、「需要はある。直行便(の座席)を埋めることは十分可能」と力強い意見もあった。