フィンエアー、アジア線倍増へ-ジョイントベンチャーも意欲

  • 2011年10月4日

アジア路線は週140便に、日本は増便めざす

ヘルシンキ空港内で掲げられていたポスター。重慶への「最速の近道」をアピールする  2020年にアジア市場の収益を倍増――この目標達成にむけて、AYではアジアでの路線網拡充を進めているところだ。同じく2020年までに現在のほぼ倍となる週140便の体制を構築したい考えで、例えば直近ではシンガポール線を開設。北欧/シンガポール間では初というデイリー運航で輸送実績は「極めて好調」といい、開設数ヶ月ながら黒字化しているという。

 また、2012年5月には重慶への就航も予定。ベフビライネン氏は、重慶は自動車産業などビジネス需要が見込めるほか、レジャーのデスティネーションとしても有望と見る。現在は年間10万人程度が欧州から重慶を訪れているが、欧州からの直行便はこれまでなかった。

 今後のアジア路線の展開についてベフビライネン氏は「いくつもの可能性がある」としつつ、「1日で往復できること」が一つのカギになると指摘。これは、1機の機材で運用できるためで、「シンガポールのように1日2機必要になる都市に飛ぶとすれば、それだけ我々にとってメリットが大きい必要がある」という。

 日本路線については、「常に(拡大の)可能性を検討している」としつつ、「すでに就航している3都市以外の新しい就航地はレジャー需要が中心で、シーズンによる上下動が激しい」ことから、既存路線での増便の方が可能性が高いと説明。日本発の需要は好調であるものの、震災や原発事故の影響で欧州発が低迷しているため確定した計画はなく、さらに航空交渉も必要となるが、「増便するとすれば間違いなく成田」と明言した。


欧州路線は提携で充実、「ホームマーケット」拡大も

フライビー航空の機体 一方、欧州内のネットワーク拡充にも力を入れるが、運営効率の向上のため、他社との提携を重視。AYではすでにエアベルリンとの提携により、ドイツ市場でのシェア拡大を進めているほか、先ごろにはイギリスのフライビー航空(BE)との共同出資で「フライビーノルディック航空」を設立した。BEはイギリス国内線では最大手の航空会社で、西欧への路線も運航。平均85席の小型機を使用することで、効率的な運営を実現している航空会社だ。

 フライビーノルディック航空は、主にフィンランド国内線を運航していたフィンコム航空の株式を取得して設立したもので、フィンコムの路線を引き継ぎつつ、ヘルシンキやタンペレ、トゥルク、タリンなどから新路線の開設を予定。運航はBEがおこない、AYはBEの地域路線運航のノウハウを活用してフィーダー路線を充実することになる。

 また、フライビーノルディック航空はAYにとって別の意味も持っている。それは、「ホームマーケット(自国・地域の市場)が小さい」というAYの課題の解消だ。ベフビライネン氏は、「フィンランドの人口は500万人ちょっとだが、スカンジナビアやバルト海地域に視野を広げれば、3000万人のマーケットが広がっている」と語り、新会社によってこの取り込みをはかる考えを示した。