ドローン、EC、宇宙旅行……来るべき回復期に備え新たな旅行価値を作り出す-エス・ティー・ワールド鹿島義範代表、瀧川雅男取締役

  • 2022年2月1日

旅行業とシナジーのある新規事業を続々展開、多角化経営の基盤に

 専門性の高い海外旅行の手配を得意とし、ホテルや航空会社とも積極的に提携を進めてきたエス・ティー・ワールド(STW)。昨年は長引く需要減退で店舗の統廃合を余儀なくされたが、代表取締役社長の鹿島義範氏は、「必ず海外旅行は戻ってくる」と前を向く。旅行をフックとした新規事業も積極的に展開する鹿島氏と、同社で新規事業を統括する取締役の瀧川雅男氏に話を聞いた。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

鹿島氏瀧川氏

-はじめに、改めてSTWの事業の概要と、ご自身の紹介をお願いいたします。

鹿島義範氏(以下敬称略) 1987年にSTWの前身である渋谷旅行センターを設立し、今年で35周年を迎えます。私自身も旅行が好きで、「自分が旅をするとしたら、こうしたい」というシンプルな思いを軸に、専門性の高い海外個人旅行や国内外の地上手配、海外ウエディング、ホテルなど、旅行に関わる幅広い事業を手掛けてきました。

瀧川雅男氏(以下敬称略) 私は20代後半までニューカレドニアでランドオペレーター会社に勤め、30代に入る前に帰国し、日本でもランドオペレーターの仕事をしてきました。その後2011年にSTWのランドオペレーター部門であるトラベルファクトリージャパンの取締役に就任。現在はホールセラー部門のプレイガイドツアーの取締役、そして新規事業の統括の3役を務めています。

-昨年は需要減退の長期化への対応として、店舗統合や新規事業の立ち上げをされました。1年を振り返っていかがですか。

鹿島 全店舗スピーディーに閉店を行い、本社に営業部門を統合したので、固定費を削減することができました。また人件費については、多くの社員が早期から出向など外部で働いているため最小限に留まり、大幅に赤字を削減することができました。

 新規事業としては、ドローンスクール「ソラガク」「ウミガク」をはじめとして、国内商品造成部の設置、海洋散骨、世界の良いものを輸入販売するECサイトの立ち上げ、オリジナルジュエリーブランド『エステハ』、オンライン日本語学校『TGLA』などに挑戦し、コロナ禍への対応だけではなく、多角化経営の基盤ができた年でした。

-ホールセラーやランドオペレーターも手掛けられていますが、旅行商材の仕入れは今後どのように変わり、どのような対応が必要だとお考えですか。

鹿島 現在当社では、BtoB、BtoCの双方でDX化を図っています。今後は国境、言葉などを越え、シームレスによりシンプルになっていくでしょう。

 募集型の団体旅行については、これからは7割以上の集客がないと、航空券、バス、ホテルなどの仕入れが難しくなると予想しています。

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