アメリカの「今」を駐在員の視点から-グランドキャニオン、モニュメントバレー・・・withコロナで経済活動を進める人気観光地

 2021年の夏は日本からのお客様が沢山アメリカ旅行にいらっしゃって、忙しく過ごす毎日を想像していましたが、実態は未だ先の見えない日々が続いています。アメリカの今夏は昨年の旅行需要激減から比較すると大きく変わり、ワクチン接種によりアメリカ人の国内旅行が増加しているというニュースを耳にします。今回は日本人にも人気の観光地「グランドキャニオン」「モニュメントバレー」「アンテロープ・キャニオン」をリポートいたします。

アリゾナ州のコロナウイルス感染状況とグランドキャニオンの現況

アリゾナ州のコロナウイルス感染状況とワクチン接種状況

 2021年8月15日時点でのアリゾナ州のコロナウイルス累計感染数は96万5462人で、死亡者数が累計1万8464人となっています。ワクチン接種に関しては2021年8月15日時点で累計706万9519人で、総人口の54.2%となっています。

観光スポットの営業状況

グランドキャニオン国立公園:オープン

 入園に際して予約制などはとっていませんが、公園内ではCDCのガイドラインに則って、屋内・シャトルバス内ではマスク着用が義務付けられています(一部国立公園では事前予約制の人数制限を敷いており、公園ごとにルールが違うので、訪問する際は各国立公園のホームページをチェックする必要あり)。

 8月にグランドキャニオンを訪問した際の様子をご紹介致します。

ビジターセンター
 ビジターセンターは屋内が閉鎖されており、レンジャーサービスは屋外の特設エリアで、マスク着用+ソーシャルディスタンスを確保の上、対面サービスが行われていました。

グランドキャニオンビジターセンターの様子

人気エリア ブライトエンジェル・ロッジ周辺
 普段は世界中からの観光客を乗せた大型バスが引っ切り無しに往来する周辺パーキングですが、今夏も大型バスはほぼ見かける事はなく、乗用車・キャンピングカーなどが多く、恐らくアメリカ国内からの訪問者がほとんどだろうという印象でした。午前中は比較的空いている事が多いのですが、展望エリアも訪問時はかなり人出もまばらな状況でした。

ブライトエンジェルロッジの展望エリアの様子

園内シャトルバス
 無料で園内を巡回するシャトルバスも、路線の運休は見当たらず運行していましたが、車内はマスク着用必須。座席はほぼ満席で、車内でのソーシャルディスタンスの確保は難しい状態でした。満席+数人の立ち乗車で人数制限をしている様子です。但し、ドライバーから近い前方席(車イス席などがある箇所)は使用禁止となっていました。シャトルバス乗車口は2ヶ所あるのですが、前方からの乗降は禁止となっていたので、恐らくドライバーのコロナ感染防止対策の意味合いの方が強いように思えました。ソーシャルディスタンスが確保できないシャトルバスの利用は個人判断というアメリカらしさが垣間見えました。

 ちなみに、念のためワクチン接種カードを持参したのですが、グランドキャニオン滞在中、ワクチン接種の有無について一切確認される事はありませんでした。

 各地域・観光地によってもコロナ対応はそれぞれですが、ワクチン接種の普及と同時にマスク着用を含めた感染防止対策を前提とした上で、しばらくは各人で選択・判断しながらコロナと共存して進んでいこうとしている印象を強く受けました。

シャトルバス車内 前方は使用禁止

シャトルバス車内 後方座席は使用間隔は空けずに着席

園内の混雑について
ご存知の方も多いかとは思いますが、例年春~秋にかけてのグランドキャニオン国立公園内宿泊施設の予約は満室になる事もしばしばで、公園内の各ポイントへの移動も車の駐車場渋滞が発生しますが、現在は前日でも公園内宿泊施設が予約できました。普段とは違う人気観光地の様子に訪問者としてはゆっくり回れる贅沢さがありましたが、同時に静かなグランドキャニオンにも少し寂しさを覚えました。

夕日に照らされるグランドキャニオン

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