ハワイの「今」を駐在員の視点から-感染数は微増、今なお休業状態の旅行会社とサプライヤー

 4月になり、日焼けが気になる強い日差しの晴天日が増えてきたハワイ。コロナ影響下における2度目の夏を迎えようとしています。

 コロナ対策下の制約のある生活に加え、記録的な大雨で緊急事態も発令されたホノルルの3月でしたが、ワクチン供給が進み、身近に接種済の人が出てくるようになり、日々の生活に安心感が生まれてきたように思います。新たな日常に向かって順調に歩み始めているハワイの現況をレポートしたいと思います。

米国本土からの観光客も増え、ワイキキビーチはかつての賑わいを取り戻し始めています

ハワイにおける新型コロナウイルス感染状況概要

 1月後半から2月にかけて続いた感染者数の減少から反転し、3月は少しずつ増加を続けました。2021年4月1日のハワイ州の新規感染者数(7日間移動平均値)は、州合計で約99名となっています。カウンティー(郡)毎の新規感染者数は以下の通りとなっています。米国本土からの離島であるハワイでは医療資源のコントロールが最重要となっています。

市郡州全体ホノルルマウイハワイカウアイ
新規感染者数(1月)90.7名66.1名18.3名6名0.3名
新規感染者数(2月)51.1名28.3名19.7名2.7名0.4名
新規感染者数(3月)99.9名60.6名27.1名11.1名1.0名
2021年4月1日現在:State of Hawaii, Department of Health



 累計感染者数累計死者数現入院者数現ICU利用
(最大358)
累計テスト数陽性率
1月2万5943名410名74名199名99万3306名2.1%
2月2万7320名435名34名199名107万5225名1.2%
3月3万39名467名42名208名129万1006名1.8%
2021年4月1日現在:State of Hawaii, Hawaii Emergency Management Agency


 3月の増加原因に関しては、春休み期間中に爆発的に増えた米国本土からの観光客が疑われるのですが、ハワイ州保健局発表のデータでは、新規感染原因の「旅行に起因する(住民)」、「旅行に起因する(非住民)」は共に2月と同水準となっています。反して、「コミュニテイ内での感染」が増えていますので、規制の緩和による接触機会の増加が原因であることが推測されます。

 このことから、事前検査プログラムによる新型コロナウイルス持ち込みの防止、マスク着用など注意深い行動の大切さが理解できます。従いまして、ワクチン接種が順調に進んでおり、新規感染者数の7日間平均はティア2レベルですが、再度の規制強化は現時点では考えられていないようです。

ハワイにおける現在の規制緩和の状況

 ハワイ州では7日間の平均値と陽性率を規制緩和の指標としています。現在のハワイは、2月25日開始のティア3を継続中で、ティア4への移行の様子見中となっています。

オアフ島におけるリオープニング・ストラテジー
ティア1ティア2ティア3ティア4
新規感染者数(7日間平均値)100名100-50名49-20名20名未満
陽性率5%5-2.5%2.4-1%1%


 現在の主な規制は、集会は10名まで、入場定員はキャパシティの50%まで、となっていますが、ウェディングは屋外に限り100名まで許可など柔軟な政策がとられています。ナイトクラブなど一部の業態は継続して営業不可となっていますが、バーの営業は再開しており、観光客も住民もリゾートでのナイトライフが楽しめるようになりました。