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ポストコロナの中国市場の潜在性に大きな期待 ー アクトトラベル社長の譚馨氏

  • 2021年3月3日

ピンチをチャンスに、サイドビジネスにも挑戦
中国少数民族ツアーの造成にも意欲

-新たに取り組まれている事業あるいは施策に関してお聞かせください

 コロナ禍で、いろいろなチャレンジをしています。これまで旅行業一筋でしたが、その間も他のこともやってみたいと思っていました。しかし、旅行業が忙しかったこともあり、なかなか行動に移せませんでした。逆に言うと、コロナの影響で、いろいろなことにチャレンジできるようになりました。そのひとつとして、中小企業デジタル化応援隊事業の民間パートナーになりました。弊社の役割は、旅行業に限らず様々な中小企業に対して、この制度を周知し、活用を推進していくことです。弊社が対象にしているのは、私たちの顧客や関係の深い在日中華系企業などです。この取り組みを通じて、様々な学びが得られていると感じています。万が一、旅行業で復活できなければ、どのようにすれば生き残れるかを試す機会になっています。

譚氏が輸入を始めたタニシラーメン

 また、昨年8月からは中国のからの食品輸入を試験的に始めています。日本には約80万人の在日中国人市場があります。現在は、中国人にニーズの高いインスタント麺を試験的に輸入。特に、今中国で話題になっているタニシラーメンのインスタント麺を毎月500食ほど取り寄せています。タニシラーメンは中国のCCTVにも取り上げられるなど中国国内で人気が高まっており、私の実家がタニシラーメンの工場を経営していることもあり、その輸入を試験的に始めるようになりました。その味は個性的で、タイのトムヤムクンに似て、スパイシー。好き嫌いは分かれると思いますが、好きな人は病みつきになるようです。現在、通関手続きを進めている段階で、それが完了すれば、本格的な輸入業務を始めます。将来的には日本のスーパーでも販売できればと考えています。

-今後の需要回復について、どのように予想されているかお聞かせください

 今年については、日本でのワクチン接種の広がりと今夏に開催が予定されている東京五輪がカギになると思います。インバウンドについては、日本の人気は相変わらずで、様々な調査でも日本が一番行きたい国のトップとなっています。中国国内のコロナの状況は落ち着いており、国内旅行市場も盛況。世界の状況が落ち着き、入国制限が解除されれば、今は国内旅行で我慢している人たちが日本含めた海外に向かい、国内旅行と同様な勢いで活発化するのではないでしょうか。おそらく、個人的な感触として、訪日中国人は2022年に2019年を超えるのではないかと期待しているところです。