ハワイ、五輪種目「サーフィン」でプロモーション展開へ-コロナの影響注視

  • 2020年2月19日

HTAのCEOが就任後初来日
「レスポンシブルツーリズム」も引き続き重視

五輪種目「サーフィン」でプロモーション、代表候補の五十嵐カノア選手を起用

五十嵐カノア選手と中継で話すテイタム氏

 ハワイ州観光局(HTJ)は、2020年のプロモーション戦略の一環として、ハワイが起源とされるサーフィンを取り上げていく方針で、HTJ親善大使にプロサーファーの五十嵐カノア氏を任命した。サーフィンは、東京オリンピックで初めて公式競技に取り上げられる公式種目であり、スポーツとしてのサーフィンの発祥地であるハワイでは、サーフィンが歴史や文化の一部になっていることからプロモーションテーマとして取り上げた。

 親善大使に任命された五十嵐選手は、東京オリンピック・サーフィン競技の男子代表候補でメダル獲得も期待される有力選手。起用の理由についてハワイ・ツーリズム・オーソリティ(HTA)プレジデント兼CEOのクリス・テイタム氏は「若者にも知名度が高い五十嵐選手を起用することで次世代へのハワイのアピールを強化していきたい」と説明した。

 HTJは2月18日、都内で記者発表会を開催し、テイタム氏に加えハワイ州知事のデービッド・イゲ氏も挨拶し、州全体でサーフィンのプロモーションを盛り上げていく姿勢を強調した。また親善大使の五十嵐選手は海外合宿地からの生中継で参加し「3歳でサーフィンを初めたのがハワイの海。その後、世界中の海を訪れているがハワイの海には特別なエネルギーを感じる。サーフィンのパワーを使って海への愛を広めていきたい」とハワイの海とサーフィンへの思い入れを語った。

イベントの様子

 なお、会場ではこのほかトークセッションも実施。第一部では、アパレルブランド「クイックシルバー」のショップをハワイで初めて開店したジョージ・カム氏と、神奈川県・藤沢市出身でハワイでも一目置かれるというプロサーファーの脇田貴之氏が対談。カム氏は「ハワイの伝説的サーファーのジェリー・ロペス氏と日本の小室正則氏が70年代にハワイで出会い親交を深めたことがきっかけで、小室氏が日本にサーフィン文化を広げていくことになった」とハワイと日本のサーフィンの絆を紹介。脇田氏は「サーフィンの歴史を知ってからハワイを訪れれば、ハワイの海や自然、地元の人々へのリスペクトが自然に生まれるはず」と呼びかけた。

 また、第2部ではハワイ育ちの女優でタレントのすみれさんと、毎年必ずハワイを訪れるという俳優でタレントの今井翼さんも、ハワイの魅力を様々な角度から語った。

 HTJではサーフィン・プロモーションの一環として、ホノルルのビショップ・ミュージアムで開催されているサーフィンに関する特別展示の一部を日本に運び、HTJが3月以降に開催する福岡、大阪、名古屋、東京、札幌での「ハワイエキスポ」で展示。ハワイのサーフィン文化と歴史を紹介する予定だ。