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ベトナム航空、交流拡大の追い風に乗る現在-新日本代表に聞く

在日ベトナム人増加で直販増加「将来は4割に」
任期中の新路線開設に意欲、ニャチャン線など関心

-VNのグローバル戦略における日本路線の位置付けについてお聞かせください

キエウ氏 キエウ VNを利用する日本人の数は年間80万人で、中国人の400万人、韓国人の300万人に次いで3番目だが、本社は日本を極めて重要なマーケットと捉えている。日本に派遣する人材も、提供するサービスも、最大限のプライオリティで対応している。

 18年の訪越日本人旅行者数は約83万人だったが、19年は100万人近くに達したと見られている。一方、18年の訪日ベトナム旅行者は約40万人だったが、近年は2桁の成長を続けている。この先、ビザの取得免除などの緩和策が実施されれば、この数はより伸びていくと思う。ツーウェイツーリズムを実現できる恵まれた環境にあると考えてはいるが、座席供給量に関しては当面、日本人6割・ベトナム人4割のバランスを保っていきたい。

-日本での営業や販売体制についてお聞かせください

キエウ BtoBに関しては都市部と地方でアプローチが異なる。日本以上でより多くの需要を獲得するには、旅行会社がしのぎを削る都市部ではなく、地方が鍵になると見ていて、現在は余剰機材を活用したチャーター便を、旅行会社と協力して展開している。

 年末年始には成田からフーコックやニャチャンへ、新たな取り組みとして、成田・関空からハロン湾に近いバンドンなどへチャーター便を運航した。その後も2月には青森/ハノイ間、ゴールデンウィークには成田/ダナン間でチャーター便を運航するなど、積極的な取り組みを続ける。

 BtoCに関しては、このほどダイヤモンド・ビッグ社が刊行した「ダナン&ホイアン PHOTO TRAVEL GUIDE」に協力した。「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」で知られる詩歩さんによるベトナム中部のガイド本で、主に女性をターゲットにしている。

-今後の日本路線の拡充の見通しについてお聞かせください

キエウ 福岡/ホーチミン線を冬ダイヤ中に週3便から週6便へと順次増便することが決まっているほか、来夏ダイヤでは関空/ホーチミン線の使用機材をB787-10型機に、成田/ダナン線は需要期にA350-900型機に、それぞれ大型化する。

 昨年9月には愛知県知事のトップセールスに際して、VNが中部/ダナン線の就航を検討していることを明らかにしたが、まずはマーケットを十分にリサーチしたい。そのほかには、ベトナム南部のリゾート地のニャチャンへの新規路線開設に取り組んでみたいと考えている。

-4年前に業務提携したNHとは、どのような取り組みを進めていますか

キエウ これまでNHとのコードシェア便は、羽田/ハノイ線と成田/ホーチミン線の一部に限られていたが、このほど中部/ホーチミン線も対象に加えた。今後もNHとは新たなビジネスチャンスを模索していきたい。