itt TOKYO2024

エチオピア航空、業務渡航増で成長へ、来夏のデイリー化めざす

アフリカに最速で到達、61都市に送客
乗継支援・トラブル対応にも自信

-日本/アフリカ間の往来に関して、ETの成田線を利用するメリットをお聞かせください

高野氏 高野 エチオピアはアフリカ大陸の東側にあるので、経由地が変わった現在でも、ETの成田線が日本からアフリカ大陸への最速フライトであることは変わらない。アディスアベバからは大陸全体をカバーする61都市へのネットワークがあり、日本を夜9時過ぎに出発すれば、翌日の昼には目的の都市に到着できるアドバンテージがある。

 日本発の利用者の約9割はアディスアベバ以遠への利用者で、行先別ではマダガスカルのアンタナナリボが最も多い。その他はラゴス、ナイロビ、キリマンジャロなどの人気が高く、アフリカではないが在日ブラジル人の里帰り需要によるサンパウロも10位以内に入る。アフリカを代表する都市の1つであるヨハネスブルグについては、キャセイパシフィック航空(CX)など競合他社の人気も根強いが、利便性をアピールして力を入れていきたい。

 アディスアベバでは、朝には北と東から来た旅客が南や西へ向かい、夜には逆の流れが生じて混雑するが、一方でターミナルの改良も進んでいる。例えば、主に国際線が発着する第2ターミナルについては、左右両側に延伸するとともに旅客の動線を整備し、セキュリティチェック周りのエリアも拡張して処理能力を向上させている。まだ完成には至っていないが、かなり利便性が向上したと聞いており、この秋には空港の視察を計画している。

 また、それほど認知度は高くないが、ETは全日空(NH)などと同じくスターアライアンスのメンバーで、各社とマイレージ提携しており、ETを含めた世界一周旅行も可能だ。スターアライアンスのスタンダードを守るよう、品質の向上には日々努めている。

-あえてデメリットを挙げるとすれば、どのようなことがありますか

高野 アディスアベバでの乗り継ぎについてはMCTが短い分、悪天候などで日本からのフライトが遅延したりすれば、旅行全体に支障をきたす可能性がある。そのような場合は、沖停めにした到着機から次の出発機まで旅客を直接バスで送り届ける「ランプ・トゥー・ランプ」などの対応も実施している。

 それでも間に合わなければ、一番早い次の便か他社便を手配し、さらにはアディスアベバでのホテルも手配するなど、あらゆる手段で旅客を支援する。日本へ帰る場合も同じで、日本への帰国便に間に合わなければ、代替便としてバンコクなど他国を経由するフライトを探す。

 遅延の理由として次に多いのが機材の整備に関するものだが、もともとETは他社にサービスを提供できるほどの整備施設や技術を持っており、その上で遅延を減らすための努力を重ねている。同時に最新鋭の機材を導入し、古くなった機材と入れ替えることで、トラブルの軽減をはかっている。

-最後に、成田/仁川間のみの販売もされていますが、そのねらいは

高野 主にインターネット上でFITに良く売れているが、全く別の需要もある。成田発仁川行きの便のなかでは出発時刻が最も遅いので、夕方までの便に乗り遅れた旅行者が、片道だけ買って搭乗するケースも多い。ただし成田/仁川間のみを販売できるのは全座席の50%までと決まっているので、あくまでもその範囲で販売している。

-ありがとうございました