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再就航から1年、フィジー・エアの現在は-日本代表の村上氏に聞く

年間搭乗率80%以上、週3便の通年化を目標に
フィジーの知名度向上、他のリゾート地との差別化がカギ

-先日には、強豪相手である大韓航空(KE)が10月にソウル(仁川)/ナンディ線を運休するとの報道がありました

村上氏 村上 KEは確かに直接的な競合相手ではあるが、仁川線の利用者が単純に成田線に流れるとは考えていない。FJの日本発のお客様の8割は首都圏の方々なので、西日本には仁川経由でフィジーに行く方もいらっしゃると思う。地方からのパイプが細くなることで、日本全体におけるフィジー旅行の市場が縮小しないようにしたい。

-日本での販売チャネルについて教えて下さい

村上 昨年の7月から今年6月までの1年間では、旅行会社経由が84%と圧倒的に多く、そのうち74%をリアルエージェント、10%をOTAが占める。そのほか、10%が公式サイトによる直販で、残りはインターラインやコードシェアなどだ。営業については、今年の7月からGSAを務めているウェスタンアソシエイツの専任担当者と、私の2名が務めている。

-日本人の利用者層や、フィジーを訪れる目的について教えてください

村上 日本発の利用者は主にレジャー目的だが、客層は宿泊数によって異なる。週2便の場合は2泊、3泊、6泊のツアーが可能で、金曜日の夜に出発して火曜日の夜に帰国できる3泊5日が、年間を通して幅広い層に売れている。超短期の2泊4日は若い女性、6泊8日はシニアやファミリーが多い。

 同じレジャーでも目的は大きく2つに分けられ、1つは最新の高級ホテルでのリゾートライフ、もう1つはSITで特にダイバーが多い。本島の南に浮かぶベンガ島は世界有数のシャークダイビングスポットとして知られているし、バヌアレブ島南部のサブサブという町の郊外には、海洋探検家のジャック・イヴ・クストーの息子のジャン・ミッシェル・クストー氏がオーナーを務める「ジャン・ミッシェル・クストー・リゾート・フィジー」があり、彼による海洋学のレクチャーが人気だ。

 また、フィジーではリーガルウェディングも可能なので、ウェディングやハネムーンのニーズも視野に入れている。09年に運休するまでは需要が大きかったので、改めて注力したい。

-フィジー以遠への送客増については期待できますか

村上 非常に大きなマーケットだと思っている。デスティネーションとして大きいのはオーストラリアとニュージーランドだが、意識してねらっていくのは日本から直行便がないサモア、トンガなどポリネシアの島々だ。

 また、メラネシアの島国のバヌアツは「世界で最も火口に近づける活火山」として知られるヤスール山が大きな観光資源で、パッケージツアーを企画している旅行会社もある。観光ずれしていないデスティネーションで人々と触れあい、現地の文化を学ぶ体験の旅を、シニア層などが求めていると感じている。