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タビナカOTAに新機軸、オランダ発、施設チケット専門「Tiqets」が日本上陸

まずは訪日、国内施設契約に注力
使いやすさと利便性で他を圧倒

全世界でどれくらいの施設を取り扱っていますか。また日本の施設数は

荒木 約2500軒で、欧州の施設が多いが現在は米国東海岸の施設も増えている。アジアでは日本が1番数字を伸ばしている。

 日本では例えば東京国立近代美術館や新国立劇場と契約した。劇場はその日ごとに公演が変わるため販売にも手間がかかるが、国立劇場といえば文化の塊。万難を排してでも売ろうと覚悟を決め、オランダ本社も説得して契約に至った。施設側も、これまでは海外向けの取り組みが足りていなかったところから、Tiqetsが持つ約500万人の固定ユーザーにアピールできるようになるとご評価いただいている。

 また、取り扱う商品の9割は施設だが、一部は体験も含む。例えば、神社で日本文化を教わる、お茶や寿司づくりを体験するといったものだ。Tiqetsの目的は「文化の体験」を提案すること。ただ施設に行って鑑賞するだけではなく、実際に触れる、作るなどの「行動」の体験も提供している。

Tiqetsにおいて荒木氏が担う役割とは

荒木 Tiqetsの日本事業が立ち上がったのは2018年9月。その時点では、私を含め2名だけだった。各々、東京と大阪に分かれて営業活動をし、約半年で40件ほどの契約を取ることができた。ある程度成果を出せたことで、会社として問題なく運営していけると判断した。

 現在は徐々に社員数を増やし、営業が私を含めて2名、委託営業が2名、事務が1名の計5名で日本支店を運営している。私の役割は仕入れがメインであるが、今後は全体のマネジメントに回ることになると思う。

日本支店の役割について教えてください

荒木 インバウンド向けの施設契約を中心に進めている。Tiqetsユーザーは約500万人で、うち8割が欧州系で、そのほかも米国人が15%、中国人が5%といった構成だ。

 サイト自体は日本語を入れて9ヶ国語対応していて、秋には11ヶ国語対応となる予定だが、日本人ユーザーはほとんどいないと思う。今のところ、当面は日本人向けの宣伝もしないつもりだ。まずはインバウンド中心に進めていき、多くのTiqetsユーザーを日本へ呼び込んでいるうちに日本人もTiqetsの存在に少しずつ気がつくのではないかと考えている。年内には、日本人向けにTiqetsをどう展開するか方針を決めたい。