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平成最後の入社式開催、新たな人材と時代に各社がエール

  • 2019年4月1日
ANAグループ:3427名出席
CEO 片野坂真哉氏

 深く胸に刻みこんで欲しいことは、ANAグループにおいては「安全がすべて」で、安全は経営の基盤であり、社会への責務である」ということだ。これまでには複数の事故でお客様と乗員の尊い命が犠牲となり、最近では運航乗務員の飲酒問題が発生してお客様に多大なる迷惑をおかけした。失われた信頼を回復すべく、2度と違反を起こさないよう取り組んでいかなければならない。安全意識を高めるために、業務開始時などに安全理念などを唱和する活動を始めたが、皆さんも率先して大きな声を出してほしい。

 一方で嬉しいことに、全日空(NH)はこのほどスカイトラックス社から7年連続で5スターエアラインに認定された。多様な人財であふれたグループ全社員の「チームスピリット」の賜物で、皆さんも本日からこの仲間に入ることになる。また、東京オリンピック・パラリンピックの1年前となる今年度は、本日の新元号発表に続き、新天皇陛下の即位、G20やラグビーワールドカップの日本開催などが続き、我々にとっては大きな追い風になる。我々もA380型機「FLYING HONU」やB787-10型機の投入、新しい国際線の開設など、20年に向けてさまざまな取り組みを進めている。

 これからの時代は、昭和・平成の時代では想像もつかなかった未体験の世界が待っている。ANAグループにおいても自動走行の実証実験が始まり、空港の出入国や保安検査などに顔認証技術が活用される日も近い。お客様により良いサービスを提供すると同時に、労働力不足や労働環境の改善をはかるためにも、新しいテクノロジーを積極的に導入していく。しかしどんなにAIが進歩しても、ANAグループは人の力で成り立っている。1人ひとりの社員がプロをめざして日夜努力している。

 私は、入社して40年目になるが、入社時には社内報に「NHは今は国内線しか飛んでいないが、いつか宇宙旅行に進出するかもしれない」と書いた。夢は必ず叶う。皆さんも社員として求められる「安全」「お客様視点」「社会への責任」「チームスピリット」「努力と挑戦」の5つを発揮できれば、必ず叶う。

日本航空:1964名入社
代表取締役社長 赤坂祐二氏

 日本航空は昨年12月の乗員による飲酒事案に伴い、国土交通省から事業改善命令を受けた。この問題は一部の社員による不祥事、あるいは飲酒だけの問題として捉えてはならず、航空の仕事に携わるすべての者が我がこととして今一度再確認をする必要がある。航空に従事するものにとって、すべての仕事や行動が人命に関わっていることを忘れてはいけないことを、肝に銘じて頂きたい。

 新入社員の皆さんには「真のプロフェッショナル」をめざしてほしい。プロとして大事なことは、決して人と同じ道を行かないことで、プロと言えばある一定の「道」をひたすらに辿り、極める職人や達人のようなイメージがあるが、真のプロは軸をブラさずに常に新たな改善を生み、新しいことを作り出す。新たな創造は真のプロにしかできない。

 もう1つ重要なことは、プロとしての自分を、自らのためではなく仲間のため、社会のため、そして未来のために活かし、そのことに喜び、誇り、責任を持つことだ。これは私が出会ったすべての本物のプロ全員に共通することで、真のプロであればそこに辿り着くと思う。皆さんの成長に期待している。

 現在の中期経営計画の最終年度の2020年度には東京オリンピック・パラリンピックが開催され、首都圏空港の発着枠が拡大し、訪日外国人4000万人時代を迎える。30年にはそれが6000万人になり、全国の地方を活性化させる。新しいテクノロジーは私たちの働き方やお客様の利便性などを劇的に変え、社会を明るく豊かなものにする。このような未来を作るために、私たちは期待にしっかりと応え、あわせて社会課題の解決にも取り組んでいかなくてはならない。皆さんとこの大きなチャレンジに取り組むことを楽しみにしている。