AA営業本部長の矢島氏、ホテル経験生かし営業強化、旅行会社ともWIN-WINへ

ホテル業界28年、戦略的顧客マネジメントで能動的なセールスめざす

 今年5月にアメリカン航空(AA)の日本地区営業本部長に就任した矢島隆彦氏。長年務めたホテル業界から航空業界に転身した。日本航空(JL)との共同事業(JV)が加速し、旅行業界を取り巻く環境も大きく変化しているなか、これまでの経験と実績をどのように生かしていくのか。「ホテル事業の顧客マネジメントをAAでも生かしていきたい」と話す矢島氏に、就任にあたっての抱負を聞いた。

-長年務められたホテル業界から転身されました。これまでの経歴をお聞かせください

矢島隆彦氏(以下、敬称略) ホテル業界では合計28年間を過ごした。最初の14年間はフォーシーズンズ・ホテルで、そのうちシンガポールが7年間、ニューヨークが7年間。その後、スターウッドホテル&リゾートに移り、シンガポールでグローバルセールスを2年間、そして日本でグローバルセールスとして日本、韓国、グアムのマーケティングとセールスの責任者を14年間務めた。

 16年にマリオット・インターナショナルがスターウッドを買収した後は、マリオット・インターナショナルで日本のセールス&ディストリビューションチームを率いていた。

-AAに入社した経緯をお聞かせください

矢島 まず、ホテル業界では戦略的顧客マネジメント(Strategic Account Management)がかなり進んでおり、AAの上層部は、これをもっと航空業界に取り入れることができるのではないかと考えたようだ。ホテルの場合、1都市に何十軒と競合がいるため、顧客にどのようなアプローチができるかなど顧客情報を徹底的に分析する。航空業界のセールスがいいとか悪いとかの問題ではなく、AAとしては、その手法を加速させたいという考えがあるのだと思う。

 個人的には、シチュエーションが変わるようなことを経験したいと思った。ホテルで経験してきたのはアウトバウンドの法人やエージェントセールスが中心だったが、その経験を違う世界で表現してみたいと考えた。

 加えて、AAはJLとの共同事業がフェーズ2に入っている。今後、たとえば、顧客マネジメントやMICEビジネスでの協業、米国以遠路線での共同セールス活動など、双方のシナジーをもっと強めていけるのではないかと考えている。