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DMM、旅行業は数追わず「コンテンツ作り」で勝負-責任者に聞く

▽対象エリアはアフリカに限らず、「スタッフ次第」で大きく展開

本社の入口のロビーはジャングルをイメージ ちなみに一般的な観光ツアーの取扱については「勿論否定的ではないし、商機があれば取り組みたいが、市場は飽和しており他のOTAの動きも活発化している」と述べ、あくまでも「学びとキャリアの経験値を増やす、スタディやビジネスに特化した旅行を攻める」と独自性の高い商品の磨き上げをめざす。既存の旅行会社やOTAとの関係については「地上手配や航空券の発券などでお世話になると思うが、基本的に競合しないのでは」と語る。

 販売に向けては「ウェブサイトのアクセスを増やせばいいわけではない」と強調し、「求める人に的確に届ける」ことを重視。また、「増やすのは人とのつながり」とも述べ、DMM.comが幅広い事業で培った法人や団体とのネットワークを活用する。第2種旅行業登録の取得時には、日本旅行業協会(JATA)にも入会した。

 独自性が強いツアーを販売する際には、参加者への充分な説明が必要となることが予想されるが、販売チャネルはインターネットに限定し、メールを中心としたコミュニケーションで補足する。そのほか、海外進出をめざす企業などには直接営業する考え。ニーズに応じて、各種コンサルティングもワンストップで提供するという。

 なお、同社はすでにケニア、ルワンダ、コートジボワール、ガーナ、タンザニアの5ヶ国に自社拠点を持ち、8月にはDMM.Kenyaとケニア企業によるビジネス視察ツアーも予定しているが、「DMM TRAVELの最初の商品がアフリカになるとは限らない」という。今後は在籍するスタッフ次第でアジアやヨーロッパなど世界各地を視野に入れる方針で、「独自の切り口さえ提案できれば、ハワイなども取り扱う」と意欲を見せる。昨秋に経営権を獲得したベルギーのサッカークラブ「シント=トロイデンVV」など、グループ内のさまざまな事業とのシナジーにも期待する。

 これまでに約70回渡航し、15ヶ国近くを訪れたアフリカについては「治安面や文化の違いなどから障壁が高いと思われがちだが、実際にはそれほど問題なく進出できることをツアーで示して行きたい」とアピール。安心・安全については「外務省の『海外安全ホームページ』を参考にし、ホテルのロケーションやクオリティなども重視しながら、これまでの経験で身につけた肌感覚や、インターネットだけではわからない情報で補って確保していきたい」と語った。