itt TOKYO2024
itt TOKYO2024

トップインタビュー:ポナン日本駐在マネージャーの伊知地亮氏[PR]

日本での取組強化、東南アジアや大洋州の探検クルーズ訴求
地中海クルーズもアピール

-日本発着クルーズも実施していますね

今年6月に就航したばかりの「ル・ラペルーズ」伊知地 今年は4月末から6月9日まで「ロストラル」を日本に配船し、日本発着クルーズを実施したが、乗客のほとんどが欧米からのお客様だった。日本クルーズは欧米では極地に次ぐベストセラーで、日本のお客様が予約するよりも遥か前に欧米のお客様が予約するため、日本のお客様に売りにくいのが現状だ。

 19年には春にロストラル、秋にはこのほど就航した新造船の「ル・ラペルーズ」が日本に寄港する予定。20年は未定だが、21年以降は寄港する客船が増える可能性はある。


-日本地区販売代理店(PSA)との関係についてどうお考えですか

伊知地 これまで、ジェイバとマーキュリートラベルをPSAに指名し、日本地区総代理店(GSA)は置いていなかった。PSAとの関係は今後も変わらず継続する。旅行会社は引き続き、客室の買い取りリスクを追うのが難しい場合はPSA経由で客室を仕入れ、実績に応じて利益を分配する事ができる。また、私が専任の担当者となったことで、買い取りリスクはあるが自由に集客したい旅行会社は、ポナンと直接契約して客室を仕入れることも可能となった。旅行会社の仕入れ方法の選択肢を増やすことで、取扱人数の拡大につなげていきたい。

 客室は2年前から販売するが、直前でも空き室はある。料金は発表当初が定価の最大3割引で、客室が埋まるごとに割引率が下がり、定価に近づく。1年を切ると「ラストミニッツ」として直前割引もある。今後は日本人の予約動向を見ながら、客室をいかに確保するか、旅行会社からご意見をいただきながら本社と交渉していきたい。

 旅行会社向けには、客船の日本寄港時に船内見学会を開催する。今後はFAMツアーを実施するとともに業界向けの優待料金も提供したい。客船が増えるにつれてそうした機会を増やせると考えている。このほか、セミナーやオンライントレーニングも実施する。オンライントレーニングは英語のみだが、将来的には日本語版も作りたい。


-消費者への直販についてお考えをお聞かせください

伊知地 英語のウェブサイトですでに直販はしているが、日本語版を作るかは今後の検討課題だ。我々は日本人のFITの取り込みを強化したいと考えているが、この「FIT」は旅行会社経由でクルーズを予約するお客様のこと。

 日本では、クルーズを自分で購入し、航空券など前後の移動手段や宿泊を自分で手配する旅行者はわずかで、クルーズはウェブサイトまたは旅行会社で予約し、前後の移動手段や宿泊は旅行会社に依頼するケースがほとんど。このため、我々はFITを扱う旅行会社といかに関わっていくかを重視している。

 日本のお客様は40歳以上の中高年やシニア層がメイン。日本発着クルーズなどを数回経験したお客様で、船旅の良さを知り、海外のクルーズに興味を持ち始めた方々に、より魅力的な寄港地と船内生活を楽しめるクルーズとしてポナンをアピールしたい。さらに、旅行が好きでアマンリゾートやワン&オンリーなどの高級リゾートに年に数回宿泊するような若者にも、ポナンを「動くリゾート」として訴求したい。