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観光立国推進協、出国税に要望多数-行動計画で海旅に言及

▽若者の海外旅行を推進、松山氏「今後はツーウェイ重要」

 国際観光旅客税について、出席者からは要望が相次いだ。日本経済団体連合会観光委員長の冨田哲郎氏は「新税が飛躍のステップになると期待する。カスタマーオリエンテッドの視点を政・官・民で共有したうえで財源を活用してほしい」と発言。航空関連業界からは「2次交通への拡充や空港などの保安体制にも活用してほしい。中長期的には需要増につながると期待する」(全日空・平子裕志代表取締役社長)、「新税の円満徴収のため、前広で丁寧な広報をお願いしたい」(東京国際空港ターミナル・土井勝二社長)などの意見が挙がった。

 その他、観光関連の団体も「観光案内所の情報発信を強化するなど、観光案内の充実に財源を充ててほしい」(日本温泉協会・大山正雄会長)、「DMOにどう手当てしていくかを検討してほしい。必要なところには重点的に配分するなど、メリハリのある使い方を期待する」(九州観光推進機構・石原進会長)などと要望した。

 また、日本航空(JL)会長の大西賢氏は「観光庁が官側の取りまとめ役を果たす姿勢を明確にしているのに対し、民間側の要望やプランをワンボイスとして取りまとめることが必要。日観振がそうした場を設けるべきだ」と提案。これを受けて山口氏は、事務局に対して検討を指示した。

 なお、この日の会議で承認した行動計画については、基本的に昨年の行動計画を踏襲しつつ、部分的な改定をおこなった。訪日外国人4000万人達成に向けた取り組みとしては、ICTなど最新技術や設備を活用した受入能力の強化に努めるほか、人材育成の強化、ユニバーサルデザインの推進、食のバリアフリーの促進、カード決済を含めた新たな決済手段の普及促進など、受入環境の整備を進める。

 日本の観光の魅力の創出と情報発信については、19年のラグビーワールドカップ大会、20年の東京五輪をショーケースとして海外への情報発信に努めるほか、25年の万国博覧会誘致の支援もおこなう。また、DMO育成やデジタルマーケティング強化によるマーケティング機能の充実や、2次交通の利便性向上、チャーター便の誘致強化などによる地方観光の推進にも力を入れる。

 国内観光振興に向けた取り組みとしては、働き方会改革・休暇改革の実行や祝日3連休化(ハッピーマンデー)の維持などの観光推進政策を後押しするほか、各企業や団体・地域に東京五輪対策の担当窓口を設けて観光産業と地域の活性化をはかるなど、推進体制やマーケティング機能を強化する。

 海外旅行振興に向けた取り組みについては、若年層の海外旅行を強化する考えで、学生を対象に海外旅行関連のコンテストなどを実施する。さらに「戦略的規制緩和等の実現に向けた要望項目」でも、海外旅行促進に資する国際観光旅客税の活用を要望。閉会時に挨拶した日本政府観光局(JNTO)理事長の松山良一氏も、海外旅行促進の必要性について言及し「今後はツーウェイツーリズムが重要性を増す。また、訪日客の平均年齢が30歳代であるのに対し、海外旅行客は50歳代なので、若者の海外旅行振興が重要だ」と指摘した。

※訂正案内(編集部 2018年1月19日10時30分)
訂正箇所:
1ページ目 第1段落第1文
誤:日本観光振興協会(日観振)が幹事を務める・・・

正:日本観光振興協会(日観振)が事務局を務める・・・

2ページ目 第1段落第3文
誤:・・・中長期的には需要増につながると期待する」(全日空・今西一之上席執行役員)

正:・・・中長期的には需要増につながると期待する」(全日空・平子裕志代表取締役社長)
お詫びするとともに訂正いたします。