ターキッシュ、羽田昼枠獲得に向けCEO来日、関空再開も

  • 2017年5月11日

(左から)TKのビラル・エクシ氏、駐日トルコ共和国大使のアフメト・ビュレント・メリチ氏 ターキッシュエアラインズ(TK)は5月11日、メディア向けのラウンドテーブルを開催した。来日した副会長兼CEOのビラル・エクシ氏は「来日の一番の目的は羽田の昼間時間帯の発着枠の確保」と強調するとともに、このほど国土交通省に発着枠確保に向けて働きかけをおこなったことを報告。同氏によれば、TKは深夜早朝時間帯に就航する権利は保有しているが「夜に就航してもハブ空港であるイスタンブールのネットワークを生かせない。どうしても損失が出る」という。

 同氏は羽田線に就航した場合、同じスターアライアンス加盟会社の全日空(NH)などのネットワークを活用して、日本全国の海外旅行者をイスタンブールとその以遠に送客できることや、TKを利用する各国の訪日客を全国各地に送客できることをアピール。就航時期については「条件が整えば一刻も早く」と話し、2020年までに羽田の国際線発着枠の増枠が検討されていることに関しても「要望が通ると期待している」と語った。

 なお、1日1便で運航している成田/イスタンブール線については「羽田に就航した場合、減便することはありうるが完全に止めることはない」と説明。羽田に国際線を就航させる場合に成田線を残す「成田縛り」の問題については「日本とトルコ間の航空協定内にそのような規定はなく、初めて聞いた。規定があるなら守る」と話した。

 エクシ氏  テロ事件などの影響により2月から運休している関空/イスタンブール線については、「運休は一時的なもの」と強調し、「日本市場が復活すれば優先的に再開を検討していきたい」とコメント。18年以降の再開を検討していることを明らかにした。なお、関空線については羽田線の就航が実現しても再開に向けた検討を続けるという。

 エクシ氏はそのほか、イスタンブール空港の安全対策についても説明。昨年6月に空港で発生したテロ事件以降、海外のセキュリティ会社と契約して対策の強化に努めていることなどを話した。同氏は「空港では約1年にわたって事件や事故は発生していない。ビジネス客も観光客も安心してイスタンブール空港を利用してほしい」と呼びかけた。