トップインタビュー:キャセイパシフィック航空日本支社長のクオック氏

「顧客目線」でサービス強化
日本は既存路線に注力

-経営計画に基づき、どのような路線展開を進めていきますか

クオック 以前よりも路線の拡充は積極的に進めている。かつてはさまざまな事前調査を実施し、手堅く収益を見込める路線を中心に就航していた。しかし現在は、季節運航便やチャーター便などを活用し、需要の動向に迅速に対応するアプローチに変化した。これも「顧客目線」に基づく展開の1つだ。

 例えば今年は、7月2日から10月27日まで香港/バルセロナ線を週4便、12月1日から18年2月28日まで香港/クライストチャーチ線を週3便、期間を限定して運航する。こうした長距離路線だけでなく、アジアの都市への路線や便数も増やしていきたいと考えている。


-日本市場における取り組みは

クオック 日本路線の便数は4、5年前と比べて大きく増えており、13年の日本/香港線は週120便程度だったが、16年冬ダイヤのピーク時には週150便以上を運航した。ロードファクターは、CX全体と同水準の80%以上と好調だ。乗客は日本人よりも訪日外国人のほうが多く、世界各国から香港経由で日本を訪れている。

 日本人については香港へのお客様と、香港以遠へのお客様の両方を取り込みたい。重要なのは全方面へのお客様を取り込むことで、一部の地域への需要がテロ事件などの社会的要因により落ち込んだりするリスクを考えて、常に多くの方面をプロモーションする戦略を立てている。最近では欧州への需要が少しずつ回復してきており、今後も注力したい。また、人気の高いオーストラリアやシンガポール、バンコクなども引き続き強化していく。

 訪日外国人については好調に推移している。日本人は日本発の午前便、香港発の午後便を利用する傾向があるが、訪日外国人は香港発の午前便、日本発の午後便を利用するため、需要もほどよく分散している。訪日外国人向けには今年は4月16日から6月29日まで、香港/小松間で週2便の定期チャーター便を運航する。

 日本路線については、既存路線の強化が最優先と考えている。例えば、人気が高い羽田線については増便したいが、発着枠が制限されており、他社からも人気が高いため簡単ではない。東京オリンピックに向けて発着枠が増え、我々にも配分してもらえればと期待している。