ホテルベッズがツーリコ買収へ、B2B流通の拡大ねらう

  • 2017年2月8日

 ホテルベッズ・グループは2月7日、ツーリコホリデイズの買収計画を発表した。ホテルベッズは主に「Hotelbeds」と「Bedsonline」の2ブランドでホテル客室のホールセール事業を展開しており、ツーリコホリデイズもホテルなどのオンラインBtoB流通を本業とする企業。いずれも日本にも進出している。

 ホテルベッズは、昨年までは世界最大規模の旅行関連企業グループであるTUIの傘下にあったが、9月にTUIが投資会社へ売却。現在はスペインに本社を構え、世界に150ヶ所のオフィスを展開して6150名を雇用。180ヶ国の12万軒の宿泊施設や2万件の交通手段、1万2000件のアクティビティを取り扱っており、主力である宿泊の流通規模は、2014年度では2600万泊、流通額として38億ユーロ(約4500億円)に達している。

 一方、ツーリコホリデイズはホテルや航空券、クルーズ、アトラクション、レンタカーなどを取り扱っており、100ヶ国で4900社以上の旅行会社と契約している。

 ホテルベッズ・グループ取締役会長のジョアン・ヴィラ氏は発表文の中で、「買収によって、特にツーリコホリデイズがホームマーケットとする北米地域における我々のビジネス拡大が可能となり、逆にツーリコホリデイズは我々のグローバルネットワークに加わるメリットを享受することができる」と意義を強調。また、「それぞれの最高のテクノロジーと流通ノウハウを統合することで、宿泊施設のパートナーとクライアントに貢献する」と意欲を表明した。

 また、ツーリコホリデイズCEOのウリ・アルゴフ氏も、「今回の取引がB2Bの旅行流通にもたらす意義を思うととても興奮する」と語り、両社の事業をまとめることでサプライヤーと顧客により良いサービスを提供できることを楽しみにしているとコメントした。

 買収の期日や条件は発表していないが、ツーリコ・グループの持株会社である「トラベル・ホールディングス・ペアレント・コーポレーション」とホテルベッズの米国法人を合併させ、合併後の法人をホテルベッズ・グループの100%子会社とする。

 なお、買収の完了後については、長期的には事業統合を前提に最も適切なあり方を探っていく戦略だが、当面の間は両社の事業を継続。ツーリコホリデイズ日本支社でも7日夜に代表者から説明があったが、当局の承認が条件となるなど完全に確定した話ではなく通常通りの営業を続けているという。