成田、15年度は民営化後の最高益-16年は羽田の影響も

  • 2016年5月16日

NAA代表取締役社長の夏目誠氏  成田国際空港(NAA)の2016年3月期(15年4月1日~16年3月31日)の連結決算で、営業収益は前年比7.5%増の2184億8000万円となり、4期連続の増収となった。営業利益は11.9%増の433億800万円、経常利益は15.6%増の385億5800万円、当期純利益は23.4%増の242億5400万円。国際線の外国人旅客の増加などにより、営業収益と各利益はいずれも民営化以降の過去最高となった。NAAは13年度から15年度までの中期経営計画で「営業利益360億円以上」の目標を掲げていたが、最終年度となる今年度は目標を2割上回る結果となった。

 航空取扱量では、航空機発着回数、国際線・国内線の発着回数と航空旅客数、国際線外国人旅客数、国内線旅客数で開港以来過去最高を記録した。このうち航空機発着回数については、国際線は台湾や香港などのアジア路線の新規就航や増便により3.4%増の18万4000回となり、8期ぶりに過去最高を記録。国内線も1.9%増の5万2000回で、14期連続で過去最高を更新した結果、合計では3.1%増の23万5000回となったが、中計で掲げた26万回には届かなかった。

 航空旅客数は国際線の外国人旅客や国内線旅客が好調に推移し、7.5%増の3794万人と2期ぶりに過去最高を記録。中計の目標値である3700万人を上回った。国際線は6.0%増の3106万人で、このうち日本人旅客数は2.9%減の1311万人、外国人旅客は21.3%増の1290万人、通過客は2.3%減の505万人。国内線は14.7%増の689万人だった。

 空港運営事業は、営業収益が1.4%増の1037億7500万円、営業利益が3.6%増の49億100万円で増収増益となった。着陸料などからなる空港使用料収入は機材の小型化などによる平均着陸重量の減少で、2.0%減の403億4500万円と伸び悩んだ。給油施設使用料収入は0.9%減の159億6000万円。旅客施設使用料収入は、旅客数の増加により11.8%増の358億3800万円だった。

 リテール事業は営業収益が21.5%増の813億9600万円、営業利益が21.6%増の244億9200万円でともに2割増。国際線外国人旅客の増加や第3旅客ターミナルビルの供用開始、店舗の増床やリニューアルなどで、子会社の物販・飲食収入は25.7%増の620億2600万円、一般テナントからの構内営業料収入は10.7%増の115億3000万円と増加した。

 このほか、施設貸付事業は営業収益が1.8%減の303億7300万円、営業利益が0.8%増の136億4100万円。鉄道事業は営業収益が0.2%減の29億3400万円、営業利益は0.4%減の6億1400万円となった。

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