青森の古畑旅館が破産手続、新潟の秀山は任意整理へ

  • 2015年12月10日

 東京商工リサーチ(TSR)によると、青森県で老舗旅館を経営する古畑旅館が12月5日、事業を停止し破産手続を開始した。負債総額は約9700万円。また、新潟県で温泉旅館を経営する秀山も11月5日までに事業を停止し、今後は任意整理を予定する。負債総額は推定12億円。

 古畑旅館は1615年に創業し、むつ市大畑町の薬研温泉で約400年に渡り同名の旅館を経営。総ヒバ風呂などを備えて湯治客や観光客の人気を集め、最盛期には年間約5500万円を計上していた。

 しかし、東日本大震災の影響や地域経済の低迷などを受けて、近年は年間売上高が約2000万円まで減退し赤字経営に。金融機関などからの借入金返済の目処が立たず、再建は不可能と判断して今回の措置となった。破産手続きは石橋法律事務所の石橋忠雄氏に一任した。

 秀山は妙高市の赤倉温泉で温泉旅館「ホテル秀山」と「池の平ホテル」を経営し、1991年10月期には売上高約6億6700万円、純利益約1400万円を計上。しかし長引く不況による個人消費の低迷や、東日本大震災による旅行の自粛の影響で、近年の売上高は約3億円にまで減少していた。

 15年には「池の平ホテル」を改装し「一の宿元」として営業開始。しかし改装費用や収益面の不調などから資金繰りに窮し、一部債権は債権買収会社に譲渡。その後も厳しい経営を強いられ、先行きの好転が見込めないことから今回の措置となった。事後処理は弁護士藤巻元雄法律事務所の藤巻元雄氏に一任した。