アビアンカ、全日空とコードシェア開始へ、認知度向上めざす

  • 2015年7月9日

(左から)AV北米・アジア担当マネージング・ディレクターのロランド・ダマス氏、駐日コロンビア大使のロベルト・ベレス氏、PTS代表取締役のグラディス・ロー氏 コロンビアのアビアンカ航空(AV)は7月9日、新たな日本地区総代理店(GSA)にPTS(プロエアートラベルサービス)を指名したことを機に、旅行会社向けのセミナーを開催した。AVの北米・アジア担当マネージング・ディレクターを務めるロランド・ダマス氏はプレゼンテーションで、今後は同じスターアライアンスのメンバーである全日空(NH)とコードシェアを開始することを発表。日本市場における認知度の向上に取り組む考えを示した。

 ダマス氏によれば、8月からAVの米国/コロンビア線にNHの便名を付与し、2016年の前半にはNHの日本/北米線にもAVの便名を付与すべく、調整を進めているという。そのほかには、今月から週4便でボゴタ/ロサンゼルス線のノンストップ便の運航を開始することも報告。「アジアから南米への乗り継ぎは一層便利になる」とアピールした。

 AVはコロンビアのボゴタ、エルサルバドルのサンサルバドル、ペルーのリマをハブ空港とし、25ヶ国の100都市以上に週5500便を運航する南米有数の航空会社。中南米に加えて北米の11都市やマドリッド、バルセロナ、ロンドンにも就航しており、年間の輸送客数は約2400万人に上る。主要機材はエアバスA330F型機、A330型機、A320型機などで、現在は機材更新プログラムの一環としてボーイング787型機の導入も進めているという。また、19年以降はエアバスA320neo型機を100機導入する計画も示している。

AVのロランド・ダマス氏 PTSは1991年にハワイで創業したプロエアートラベルサービス社の日本法人で、昨年に創立し今年の7月1日からAVのGSA業務を開始。当面はAVに関する業務のみをおこなう予定で、ダマス氏は「AVに対して100%の力を注いでくれることに大変期待している」と述べた。

 コロンビア大使館によると、2014年に同国を訪れた日本人は前年比28.1%増の約7433人。ビジネス需要の増加が牽引して年々拡大傾向にあり、アジア諸国のなかでは中国人に次ぐ多さを誇る。アクセス方法としては、米系航空会社などを利用して空路で入国する方法が多いが、飛鳥IIなどのクルーズを利用して、港や要塞などが世界遺産に登録されている北部のカルタヘナに寄港するケースもあるという。同国ではそのほか「コロンビアのコーヒー産地の文化的景観」など7件が世界遺産に登録されている。

 セミナーの冒頭で挨拶した駐日コロンビア大使のロベルト・ベレス氏は、近年は国内の治安が安定化していることもあり、観光業が同国で3番目に大きな産業に成長していることをアピール。コロンビア政府は18年までに、国外からの観光客数を現在の2倍以上の500万人に拡大することを目標に掲げている。