エミレーツ、日本初の専用ラウンジ公開、成田でのサービス強化

  • 2015年6月11日

「エミレーツ・ラウンジ」入口でのテープカットの様子  エミレーツ航空(EK)は6月11日、成田空港第2ターミナルに開設した「エミレーツ・ラウンジ」の開設式典と内覧会を開催した。EKが日本国内の空港に専用ラウンジを開設したのはこれが初めてで、世界で38ヶ所目のラウンジとなる。式典で挨拶したEK日本支社長のニック・リース氏は「日本線就航から13年間で専用ラウンジを開設できるまでに成長した。非常に感慨深い」と述べ、週4便での関空/ドバイ線開設から現在の成田、羽田、関空/ドバイ線のデイリー運航に至るまで、日本市場で順調な成長を続けてきたことをアピールした。

EK日本支社長のニック・リース氏  EKは02年に、日本とペルシャ湾岸地域を結ぶ最初の航空会社として関空/ドバイ線に就航。その後、10年に成田、13年6月に羽田への路線を開設し、これまでの利用者は300万人以上に上るという。リース氏は「日本の3つの主要なゲートウェイ」にデイリー運航していることの重要性を強調した上で「成田との協力関係は今後も強化する」と明言した。

 成田国際空港常務取締役事業部門長の髙野德久氏は、EKが世界的に評価の高い同社の専用ラウンジを、日本では初めて成田空港にオープンしたことに対して感謝の意を表明。あわせて「EKが今後、日本でビジネスを拡大できるよう、できる限りサポートさせていただきたい」と意欲を示した。

EK空港サービス上級副社長のモハメッド・マター氏  来日したEK空港サービス上級副社長のモハメッド・マター氏は「日本路線のサービス拡充には高い優先順位を与えている」と説明。EKによると、成田のラウンジへの投資額は400万米ドル以上に上る。マター氏は「成田に専用ラウンジを開設したことで、日本での存在感をさらに高める」と述べるとともに「サービスの質には妥協しない」と強調した。

 本誌の取材に応じたリース氏は、EKが日本初の専用ラウンジを成田に設置した理由の1つとして「羽田線では上級クラスの利用者に無料送迎サービスを提供している。成田線の利用者にも、何らかの投資が必要と考えた」と述べた。なお、成田線の上級クラスについては、羽田線の就航以降も「羽田と同様に大きな需要がある。発着時間の違いなどから成田線を好む利用者は依然として多い」と説明した。

 成田線と羽田線のロードファクターについては、羽田線の就航後に成田線の機材をエアバスA380型機からボーイングB777-300型機に変更したことなどもあり「ともに2年前よりも上昇している」と強調。そのほか、近年では訪日外国人旅行者の利用者が増加していることについても言及し「日本線は良いバランスが取れるようになってきた。日本市場での成長には満足している」と総括した。

内覧会の様子  新たなラウンジは、同社のファーストクラスおよびビジネスクラスの利用客、会員プログラム「エミレーツ・スカイワーズ」のゴールド会員とプラチナ会員が利用可能。約940平方メートルのラウンジ内には革張りのシートを174席設置し、食事は日本料理やアラブ料理を含む多彩なハラルフードをビュッフェ形式で提供する。

 内装は、ドバイ国際空港内ラウンジのモダンな雰囲気を踏襲しながらも、日本らしさを意識したアート作品などを随所に配置。そのほかにはシャワールームやビジネスセンター、礼拝室、噴水なども設置した。WiFiサービスも無料で提供する。なお、EKによれば同ラウンジは、5月1日にソフトオープンしているという。

※内覧会の詳細は後日掲載