僕らは宿やが好き-全旅連(2) 難問噴出の4期8年-佐藤15代会長

  • 2015年6月4日

 -お疲れさまでした。どんな8年でしたか。

 佐藤 8年という期間については、1期2年ごとに大きな問題が起きて、それで退任するタイミングがなかったのかなと思っています。

政治活動に重い責任

 -個別の活動を振り返ってください。

 佐藤 まずはNHK受信料問題がありました。NHKが「事業所割引制度」を新設し、当時の宿泊5団体に参加を申し入れてきたのが始まりです。2契約目(テレビ2台目)から受信料を半額にするという内容でしたが、受け入れられないという方針を決め、BBC方式(15台で1契約、以降5台ごとに1契約)を逆提案し折衝を繰り返しました。

 他の交渉事も同様ですが、1回、2回の折衝でものごとが決まることはありません。約半年の折衝を経て、最終的に2契約目以降半額に、加えて、さらに15%を割り引くことでNHKと合意しました。15%のうち2%は集金手数料として組合の財源とする仕組みもつくりました。

 やはり決め手となったのは政治の力です。自民党本部で自民党観光産業振興議員連盟の先生も同席していただいての折衝も行い、譲歩を引き出せたと思っています。政治運動は宿泊団体が長年にわたり継続してきたことですが、旅館2団体で構成する全国旅館政治連盟の会長は全旅連会長が兼務している点で重い責任があります。

 政治運動では業界内の合意形成や、交渉の落としどころの判断には腐心してきましたが、常に組合員や他団体から信任をいただけたことで、業界の代表として全力で交渉に当たることができました。

(トラベルニュースat 15年5月25日号)


情報提供:トラベルニュース社