パラオ、14年日本人は訪問者6.6%増-認知向上に向け新ブランド

  • 2015年4月8日

パラオ政府観光局日本事務所代表の芝村剛氏  パラオ政府観光局はこのほど日本旅行業協会(JATA)と共同で、旅行会社を対象にした「パラオセミナー/ワークショップ・東京」を開催した。同セミナーは年1回程度開催しているもので、今回が10回目。同局日本事務所代表の芝村剛氏は「パラオは治安が良く安心感があり、自然が豊か。飲食店で例えると、隠れ家的な雰囲気でつい行きたくなる小料理屋のような存在」とアピールした。

 本誌の取材に応じた芝村氏によると、2014年のパラオへの日本人訪問者数は前年比6.6%増の3万7986人。2012年にロックアイランド群が複合遺産として世界遺産に登録されて以降、日本からの訪問者数は増加傾向にあるという。また、終戦から70周年の節目に合わせた天皇皇后両陛下のパラオ訪問などで注目を集めていることから、これまで大半を占めていたダイバーに加えて、ハネムーナーやカップルの訪問も増加していると説明。2015年の訪問者数については「4万人程度をめざしたい」と意欲を示した。

 昨年に全世界からパラオへ訪問した人の数は、過去最高となる34%増の14万784人。特にチャーター便が増加したことで、中国からの訪問者数が急増したという。芝村氏はホテルの客室数が不足した点を指摘し、今後はチャーター便の数を規制するなどして対応していく考えを示した。

 同局ではさらなる訪問者数の増加に向け、全世界向けにブランディングを実施する。コンセプトは「Pristine(本来の)Paradise(楽園)Palau(パラオ)」で、具体的なプロモーション内容は検討中だが、今後はロゴなどを制作するという。芝村氏は、同局が約20ヶ国を対象に実施したアンケートでは、日本でのパラオの認知度が低かったことについて述べ、「環境を大切にする日本人は重要なマーケット。ブランディングで認知度を向上させたい」とコメントした。

 なお、セミナーには、旅行会社から約100名が出席。2社の航空会社と11社のサプライヤーがプレゼンテーションをおこなった。