成田、第3旅客ターミナル公開、初年度は取扱500万人見込む

  • 2015年1月18日

本館とサテライトを結ぶブリッジ  成田国際空港(NAA)は1月16日、報道関係者向けに第3旅客ターミナルビルの見学会を実施した。第3旅客ターミナルビルは2015年4月8日に供用を開始するLCCターミナルで、開業時はジェットスター・ジャパン(GK)、バニラエア(JW)、春秋航空日本(IJ)の3社が利用する。

 ターミナルは2013年5月に着工し、2014年12月末には工事の83%が終了。現時点での総工費は132億円で、追加の金額については発表していない。使用するスポット数は開業時点で国際線が4スポット、国内線が5スポット。2017年度には新たに、徒歩で搭乗可能なスポット2ヶ所とオープンスポット3ヶ所が完成する予定だ。

NAA代表取締役社長の夏目誠氏 NAA代表取締役社長の夏目誠氏は第3旅客ターミナルについて、「シンプルで使いやすい施設になっている」とアピール。また、今後は「LCCにおいて、国内線では地方都市から海外への内際乗継需要とインバウンド旅客の地方都市への乗継需要の取り込み、国際線ではアジアの近距離路線のさらなる充実に繋げていきたい」と意欲を示した。

 NAA事業部門旅客ターミナル部LCC専用ターミナルビル供用準備室室長の川瀬仁夫氏によると、ターミナルは年間で750万人の旅客取り扱いと5万回の旅客便発着が可能。川瀬氏は初年度では旅客数が500万人、発着回数は3万回から4万回を見込んでいると説明した。

 第3旅客ターミナルビルの特徴としては、通路の床面を陸上トラックのようなデザインにして利用者を誘導。さらに、国内空港最大の400席以上を用意したフードコートは24時間利用が可能で、利用者がゆっくり休めるようソファも配置するという。

チェックインカウンターのモックアップ また、利用する航空会社が効率的に運用できるよう、国内線と国際線のチェックインエリアを統一。各航空会社ごとにチェックインカウンターを設け、カウンターの表裏で国際線と国内線とを区別する。さらに、搭乗時には屋根付きの通路であるエプロンルーフを設置し、安全性と定時運航率の向上をはかる。

 このほか、ターミナルではコストを削減するため、既存のターミナルに比べ柱を多く設置したほか、天井の高さを低く設計。また、案内サインや内装をシンプルなデザインにし、旅客手荷物搬送システムは簡素なものを使用する。

 サービス面では、手荷物カートを一般エリアと国際線到着手荷物引き渡し場のみで提供。加えて、宅配・レンタカーサービスやシャワールーム、航空会社のラウンジ、有料待合室は設置しない。案内カウンターは一般エリア本館出入口付近のみを有人カウンターとし、国際線制限エリアではインターフォンで対応する。

バゲージクレームの様子 第3旅客ターミナルへのアクセスは、第2旅客ターミナルビルから徒歩またはシャトルバスで可能。高速バスやタクシーを利用する場合は、第3旅客ターミナル専用のバス乗降場を使用することになる。

 シャトルバスは、第3旅客ターミナルビル/第2旅客ターミナルビル間では4時30分から23時まで運行。運行頻度は5分から12分間隔で、ピーク時は5分から8分間隔とした。また、第1ターミナルビル/第3ターミナルビル/第2ターミナルビル間でも運行する予定で、スケジュールは調整中としている。なお、既存の第1ターミナルビル/第2ターミナルビル間も継続して運行する。