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トップインタビュー:MIATモンゴル航空日本支社長 ソドノムドルジ・プレブスレン氏

今夏に羽田発着チャーター実施
成功を定期便化への布石に

-過去のチャーター便の実績について教えて下さい

プレブスレン 羽田からは2009年の夏に4往復運航したことがあり、ロードファクターは約70%だった。その際はそれ以上運航できなかったが、2010年からは日本人がビザなしでモンゴルに行けるようになるなど、状況が良くなってきている。2010年から2013年までは羽田から運航したくても機会がなかったので、今回は期待が大きい。

 羽田以外の空港については、1990年に初のチャーター便を新潟から運航した。1993年の関空線、2002年の成田線就航以降はチャーター便の需要は減ってきているが、現在も静岡、新潟、福岡の3都市からは夏期にチャーター便を運航している。各都市1往復から2往復ずつで、ロードファクターはいずれも約80%といったところだ。

 日本での需要だけでは物足りないので、近年ではモンゴルでも旅行会社が観光客を募り、団体で日本に連れて行く取り組みも進めている。訪日モンゴル人の数は2012年には8000人程度だったが、2013年には1万5000人にまで増えた。日本・モンゴル間のビジネスが活発化していることや、モンゴル人の訪日ビザの要件が緩和されたことなどが背景にある。

 OMの日本線の定期便については、昨年は約4万8000席を提供したところ、搭乗者数は3万8770人に上り、前年比で8%増となった。伸び率は年々増加傾向にある。

 昨年までは、成田線の夏ダイヤでは最大で週5便を運航していたが、昨年11月の日本・モンゴル間の航空協議によりデイリー運航が可能になったので、今年は成田線を最大週6便で運航しようと計画していた。しかし今回のチャーター便が実現するので、8月は成田発5便と羽田発2便による、首都圏からのデイリー運航を実施する。夏期のみ週2便で運航している関空線も加えれば、日本線は最大で週9便となる。


-商品造成に対する取り組みについて教えて下さい

プレブスレン 商品造成についてはエイチ・アイ・エス(HIS)や風の旅行社など、OM正規販売代理店の6社と話し合いを進めている(編集部注:インタビュー時点)。羽田はいま注目を集めているので、そのほかの旅行会社からも、羽田発着のチャーター便に対するリクエストは多い。また、今回は個札での販売も実施している。

 日本からの利用客のうち、パッケージツアーが全体の何割を占めるのかは分からないが、基本的には多くなるはずだと思う。モンゴルからの利用客についても同様だ。ただし3ヶ月間も運航するので、認知され始めたらビジネスの利用客も増える可能性はある。

 2008年には利用客の少なさから、中部発のチャーター便を欠航したこともあったが、チャーター便の欠航は旅行会社に大きなダメージを与え、利用客の信頼も失うので、ここ2年間は全くおこなっていない。おかげさまで信頼は回復しつつあり、今後も赤字覚悟で欠航は避ける方針だ。そのことが次へとつながっていく。