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現地レポート:イタリア、ベネツィア線就航でアルプス滞在商品の可能性

  • 2014年5月15日

イタリア・アルプス、コルティナ・ダンペッツォでスローライフ
ベネツィアとの組み合わせでアピール力ある商品に

アルプスのアグリツーリズムや植物工房のハーブティー
自然と文化に触れるこころ豊かな体験

アグリツーリズモ「マルガ・ペッツェ・デ・パル」は全4室。各部屋の窓からはコルティナの山が見え、その山が部屋の名前につけられている

 ハイキングやスキーもいいが、コルティナではぜひ、アルプスの魅力を全身で感じる体験をしたい。現地の風土や文化を感じられるアクティビティが多く、シニアや山の癒しを求める女性が喜ぶ商品ができそうだ。

アグリツーリズモ「ブリーテ・デ・ラリエート」。コルティナのアグリツーリズモはアルプスらしさを感じる

 例えば、トスカーナで人気のアグリツーリズム。伝統的に牛や山羊の放牧が行なわれてきたコルティナでは、野菜や果樹栽培のほか、牧場が付随しているのが特徴だ。そこで作った素材を用いた料理を味わえるレストランや小規模ながらホテルを併設するアグリツーリズムもある。今回はシーズン前だったため体験できなかったが、牛や山羊がゆったりと草をはむのどかな牧場を歩くハイキングコースもあるという。

チーズ工房「ピッコロ・ブリーテ」。牛や山羊のチーズのほか、ソーセージやハムなども。肉製品に付けるマスタードやバルサミコ風味のジャムのような「モスタルダ」もお勧め

 その1軒、「ブリーテ・デ・ラリエート」では2013年、アグリツーリズモの近くに自家製のチーズやハム・ソーセージなどを売るチーズ工房「ピッコロ・ブリーテ」をオープン。チーズ作りの工程の説明を受けながら地下熟成庫の見学も可能で、カビをふんわりまとったチーズがずらりと並ぶ様は壮観。売店にはチョコレートやワイン、肉類にあわせる「ジャム・マスタード」などもあり、お土産の購入先としても立ち寄りたい場所だ。

フレッシュハーブのお茶と手作りのクッキーをいただく。アンネットさんのナチュラルな生活に癒されるひととき

 もう一つ、女性にぴったりなのが花のマエストロの資格を持つアンネット・ゴットマンノさんの自宅でオープンする高山植物工房。エーデルワイスやキンセンカなど、地域の高山植物やハーブを約60種類を庭で育て、フラワーアートなどのクラフトやハーブ製品などを作っている。

夏のアンネットさんの庭。素朴な高山植物やハーブの向こうにはなだらかな草原とコルティナの町も望める
(C)toni-by zoomfotocortina

 この庭でハーブを摘み、その葉で作ったお茶と手作りのクッキーを味わったり、ハーブティーやハンドクリーム、石鹸などを作るプログラムもある。自慢の庭からの見晴らしも素晴らしく、季節には庭の向こうになだらかに続く草原とコルティナの町が見えるという。

ラガツォーリ小屋からは夕刻のピンクに染まる景色を楽しんでみたい。7の個室とドミトリータイプの客室があり、シャワーはコイン式。山々を一望できるドライサウナもある

 そしてできればぜひ、山小屋での滞在にも挑戦してみたい。夕暮れ時、「エンロザディーラ」と呼ばれるバラ色に染まるドロミテの山々、満天の星空を見られるのは、山小屋に宿泊するからこそできること。標高2752メートルのラガツォイ小屋からは夕焼けに加え朝焼けに染まる山々も見られる。

 美味しい食事とワインとともに、ゆったりと表情を変える山の景色とその時間を楽しむ。山小屋は共同部屋と個室があるが、どちらもスペースは狭いため、拠点のホテル等に荷物を預け、1泊の荷物だけで移動ができれば便利だと思われる。


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