ランデブー・フランス、日本市場堅調、新デスティネーションの開発強化

  • 2013年4月23日

 8回目となるフランス最大のツーリズム・トレードショー「ランデヴー・アン・フランス(RDVEF)」が3月26日と27日、南西部ミディ・ピレネー地方のトゥールーズで開催された。会場のトゥールーズ見本市会場にはサプライヤー680団体が出展し、バイヤーは61ヶ国から900人が参加。ビジネスアポイント数も2万件を越えて活況を呈した。また、RDVEFに先立ち、15のデスティネーションに分かれたFAMトリップが実施され、425社を越えるツアーオペレーターが参加した。


観光収入の増加が課題
12年はテーマをアピール、他業種と協力で

フランス手工業・商業・観光業大臣のシルヴィア・ピネル氏

 今回の参加バイヤーの内訳を見ると、近隣の欧州からの来場者は昨年とほぼ横ばいなのに対し、遠距離市場からの参加者が増えており、フランスの観光に対する期待感がうかがえた。特に南米は2011年の50人参加から今年は70人に増加。ロシアも14%増、日本も18%増の31名の参加と増加した。

 開会式では、ミディ・ピレネー出身のフランス手工業・商業・観光業大臣のシルヴィア・ピネル氏が「2011年のフランスへの外国人旅行者は8100万人と世界一だった一方、観光収入は世界3位に甘んじており、(収入の増加を)優先事項の一つとしてとらえている」点を強調。観光発展については「文化セクターなどほかのセクターとの強調が重要で、経済状況の厳しかった2012年にも堅調だったのは、ワインやサイクルツーリズム、文化や食などテーマ性を打ち出したところだった」と観光と他の経済セクターとの相乗効果を説明した。

 さらに、ピネル氏は「いまや観光業におけるWeb活用(e-Tourism)は不可欠である。政府は、そのための最新技術への適応など観光従事者を支援する義務がある」と、観光促進のためのウェブ活用支援も強調した。

ATFマーケティングディレクターのソフィー・ラクソニエール氏  また、フランス観光開発機構(ATF)マーケティングディレクターのソフィー・ラクソニエール氏は「2009年からフランス政府観光局からフランス観光開発機構へと組織改編された結果、コンサルティングや教育を通してツーリズムの再構築をはかってきた効果が現れてきた」と振り返る。例えば、「質のアップがキー戦略」と位置づけ、ホテルの格付け制度を世界標準と合わせるべく見直すとともに、最高級ホテルの通称「パラス」も公的化。こうした試みが奏功し、フランスにある7000のホテルでは平均宿泊率80%を保っているという。