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トップインタビュー:CX日本支社長 クラレンス・タイ氏

尖閣で打撃も回復傾向、13年は香港復活へ
LCCは公平な競争環境望む

-ピーチ・アビエーション(MM)による香港就航など、LCCとの競争も増しています

タイ 影響は当然あるが、CXとしてはもともとどの路線でも複数の航空会社と競合関係にある。例えば香港/シンガポール線では6、7社、バンコク線では10社以上と競争している。競争はCXにとって当たり前のもの。LCCとの競争も昨日今日に始まったものでもない。

 そもそも、LCCは低運賃が武器だが、日本は世界でも有数の空港コストの高い国であり、人件費などを考えてもLCCを運営しにくい環境だ。高コストであるにも関わらず、日系LCCが現在提供している運賃はかなり安い。高コストで低運賃という構造で会社を維持していけるのか疑問だ。

 とはいえ、日本の空の規制緩和が進んできていることは良いことだ。市場の拡大が期待できる。ただし、LCCとCXの競争環境が公平であることも重要で、例えばLCCターミナルをCXが使いたいと思った時に使うことはできるのか。こうした公平性については日本、香港の当局にきちんと要求していきたい。

 いずれにしても、LCCとの競争ではサービスやプロダクトで差別化する。プロダクトについては、この3年ほどでかなり進めてきたが、2020年までにさらに約1900億香港ドル、日本円で約2兆円を投じる計画だ。新機材も48機のA350型機を含めて91機を導入する。


-旅行会社との関係についてはどのようにお考えでしょうか

タイ 香港本社では流通戦略を担当していたが、全世界の支社に対して一番大切なことはお客様がCXの飛行機に乗ることで、直販か旅行会社経由かは変わらないということを伝えた。お客様が確実にCXをお選びくださる時に、ウェブサイトでの直販か旅行会社か、あるいはコールセンターか、といったことを考える。

 直販の方がコストが低いが、航空会社のウェブサイトができることは旅行会社の機能には敵わない。旅行会社の存在理由は確かにある。CXは日本で、旅行会社と50年以上のお付き合いがあり、ずっとサポートしていただいてきた。旅行会社の皆様に感謝したい。ただし、何十年も慣習として続いているものを継続するだけでなく、ニッチな需要への対応など、新しい営業展開にも期待している。

 直販については、旅行会社を必要としない方にもCXの航空券を提供することがねらい。今年5月中旬頃にはウェブサイトをリニューアルする計画だ。


-ありがとうございました