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トップインタビュー:エティハド航空日本支社長 稲場則夫氏

2013年は飛躍の年
きめ細かいサービスで需要獲得へ

-日本ではどうしても「中東の航空会社」という印象が強いように思われます

稲場 確かに中東の会社ではあるが、もともとアブダビだけに焦点を当てて作られた航空会社ではなく、世界ネットワークを考えており、一部のデスティネーションに集中するようなこともない。

 路線展開も、目立ったところばかりではなく、2012年でいえばイラクのバスラ、ナイジェリアのラゴス、インドのアーメダバードなどの路線にも就航した。2013年はワシントンDC、サンパウロ、ホーチミンシティ、アジスアベバも予定している。サンパウロは激戦区だが、それ以外は多数の航空会社が飛んでいる都市ではないので、バリエーションとして使っていけるようになる。

 また、受賞歴を御覧いただいてもわかるように、ブランディングとしてワールドスタンダードの一番高いところをめざしている会社だ。トルコ航空(TK)を含めた中東系航空会社では、新機材の導入が相次いでいるなど競争が激しい。そうした中で、機内サービスも中東の方々だけを意識するのではなく、どの国の方がどう乗っても楽しんでいただけるように設定しようとしている。

 欧米では、サービスを向上しようとしても新しいものを一つ導入するのに対してストライキなどで時間がかかってしまうことがあるが、EYでは導入すると決まれば例えば翌月には導入されるなど、スピードが非常に早い。

 また、130ヶ国からの従業員が働いていることもあり、多様性に対する理解度も高い。中国の箸は太め、韓国は金属で細長い、日本はその中間で木の細めのものが良い、といった特性に合わせて、きちんと用意してくれる繊細さとアクションの早さは他社には真似がしにくいのではないか。


-認知向上を含めた今後の展開についてお聞かせください

稲場 これまではあまり積極的な広告展開をしてこなかったが、夏スケジュールで成田路線がデイリー化するのに合わせて、少しずつ打って出たい。

 デイリー化によって、接続可能な便が約40%増加するため、使い勝手も良くなる。また、サンパウロ線の開設で南米という今までまったくリーチしていない市場も見込めるため、2013年は大きな飛躍の年になる。

 やはり旅行会社と一緒にビジネスを拡大していけるようしたい。アフリカや中東はランド手配が必要で、旅行会社のサポートが不可欠だ。コミッションについては今のところ何ともいえないが、比較的に利益を残していただけるようなビジネスモデルは提供できていると思う。

 なお、先日の航空交渉でアブダビも羽田の発着枠を得られたが、今のところ就航の予定はない。まずはデイリーになる成田と週5便の中部をしっかり埋めていく。


-ありがとうございました