itt TOKYO2024

2013年の市場展望とキーワード-12年の動向から読む、JTBFシンポより

  • 2013年1月15日

国内旅行は薄日さす、訪日旅行は薄曇り

 国内旅行の状況だが、黒須氏によると「前向きに世の中が変わってきており、薄日が差している状態」。日本の人口の半分が何らかの形で観光目的の宿泊旅行をしているといい、市場全体で横ばいから微増を期待できるとする。

 2012年の市場状況では、1ヶ月以上前の先行予約が増加し、2極分化傾向を指摘。「一部の調査では間際化が叫ばれるが、繁忙期の人気の施設は予約が前びろに入っている」とし、市場に対して『正月あけたら夏旅行』など、業界から働きかけてマーケットを変えていくことができるのでは」と語った。

 また、客層では一人旅、友人と知人、カップル旅行の増加傾向を提示。特に若者層に対しては、グループインタビューの結果、一人旅のイメージが「かっこいい」ということが判明。「若者の男性へのアピールも有効では」と提案した。

 このほか、オンライン予約については伸びが鈍化しているという。予約比率が全体の6割に迫っているといい、「飽和状態に近づきつつある」と指摘。今後伸びる余地がある可能性として(1)LCC拡大によるもの、(2)伝統的な旅行会社のオンラインシフト、(3)ダイナミックパッケージの伸びによるもの、の3つをあげた。

 なお、訪日旅行は12年の着地を830万人とした場合、8.4%増の900万人の予想。「カギを握るのはアジアマーケット」とし、「早期に回復すればプラス幅が広がる」という。

取材:山田紀子