国交省、高速ツアーバスの緊急対策にパブリックコメント実施

  • 2012年7月1日

 国土交通省は、「旅客自動車運送事業運輸規制の解釈及び運用について」の一部改正案についてパブリックコメントの募集を開始した。これは、6月27日に取りまとめた「今の夏多客期の安全確保のための過労運転防止に係る緊急対策」の「交代運転者の配置基準の暫定措置(案)」について、意見を求めるもの。その結果を踏まえ、国交省の緊急対策として決定する。

 同暫定措置(案)は、高速ツアーバスの夜間運行が深夜2時から早朝4時までかかる場合が対象で、実車運行距離が400キロを超える場合、または一人の運転者の乗務時間が10時間を超える場合は、交代運転者を必要とするもの。ただし、「事業者による特別な安全措置」をしている場合は実車運行距離を500キロメートルまでとする。

 パブリックコメントは7月11日まで実施。交付は7月18日、施行は7月20日を予定している。


▽抜き打ち検査も予定

 6月27日の検討会では、「運転時間等の基準の実効性を確保するための措置」も取りまとめられた。(1)運転管理が着実に実行されるための手段、(2)利用者が実効性を見守ることができる仕組み、(3)運転者が過労運転を回避できるための支援、(4)運行管理の高度化のための措置等、の4項目から成るもの。(1)については、高速ツアーバス運行事業者への緊急講習や事業者などによる自己チェック、旅行業者またはセンディング会社による乗車場での自主点検などを設定。これらの実施状況について、抜き打ち一斉点検も実施する。

 このほか(2)では、販売における広告や運行車両へなどの表示の義務付けや、国交省のサイト上への通報窓口の設置を決定。旅行会社やバス事業者の乗車券販売サイトにもそのリンクを設定することも指導する。(3)では、休憩地点到着時に運行管理者などへの体調報告とその記録をとることや、運転者が強い疲労感を覚えた際には、事前通報なく経路を変更して休憩ができるように明文化することなどがあげられている。