オーロラとともにプッシュできる
北部ノルウェー、冬の観光素材

大きく広がったオーロラ。感動の瞬間だ（スノーホテルのロッジ上空）

　スカンジナビア北部の冬の観光の代名詞といえるオーロラ。そのあまりの存在の大きさに、周辺観光の魅力があまり伝わりきれていないが、一緒にアピールしても遜色ない観光素材が豊富にある。前回は、拠点となるトロムソを中心に紹介し、トロムソから沿岸急行船（フッティルーテン）で出航するまでを紹介した。沿岸急行船の楽しみと、キルケネスでのオーロラ、周辺観光を紹介する。

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　現地レポート：ノルウェー（1）、オーロラ観光の拠点トロムソの楽しみ方

最北の岬ノールカップ

ホニングスヴァーグから乗るバスはノールカップホールの入り口に到着する

　トロムソ／キルケネス間の沿岸急行船のハイライトは、ヨーロッパ最北の岬ノールカップを訪れるオプショナルツアーである。トロムソを出港した翌日午前11時45分に船はマーゲロイ島のホニングスヴァーグに入港、そこからバスで約40分ほど北上すると北緯71度10分21秒のノールカップ岬に到着する。

ヨーロッパ最北の岬ノールカップにあるモニュメントは観光客の人気の的。ホール見学の後で行くと空いている

　ノールカップホール正面でバスを降りると、ほとんどの乗客は屋外の地球儀のモニュメントに直行する。かの有名なスポットで記念撮影をするのが目的だ。だがツアーでの滞在時間は１時間も満たないので、混雑を避けてホール見学の後で屋外モニュメントに向かった方が人も少なく撮影しやすい。

ノールカップにある北緯71度10分21秒の標識

　ホールには売店やカフェレストラン、350席のシアター、郵便局のほか、地下道のような施設にミュージアムやモダンな洞窟風のチャペル、洞窟バーなどがある。売店で絵ハガキと切手を買ってポストに投函すれば最北の地からのメッセージとなり、旅の記念になる。

　ノールカップで真夜中の太陽（太陽が地平線から下に沈まない状態）を観られるのが今年は5月11日から7月30日まで、太陽が昇らない極夜は11月20日から１月22日までと予想されている。ホールは一年中営業しているが季節によって営業時間は異なる。また個人で訪れる場合は入場料が必要（屋外のモニュメントを含む）。ただ冬期はアクセスが極端に少ないため、沿岸急行船のオプショナルツアーで訪れるのが最も便利だ。

　この日、船に戻ると夜11時前にオーロラが観られた。夜空にうっすらと緑の光が現れ、次第に大きなカーテン状となって広がった。同時にオーロラが出現したという船内放送が流れると、デッキには続々と乗客が集まってきた。一般に船上はオーロラが見えやすいといわれる。町中と違って灯りが少なく、航行しているため出現しやすい場所も通るからである。