グローバルブルー、三越伊勢丹にシステム提供、旅行会社と提携も

  • 2012年3月29日

来日した取締役上級副社長兼最高マーケティング責任者アリアン・ クルーガー氏  グローバルブルーは三越伊勢丹ホールディングスに、訪日外国人向けの免税書類発行システムを提供した。同システムを日本国内の企業に提供するのは初めてのこと。当面は三越伊勢丹グループの基幹店舗である伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店が免税手続きサービスを提供する。これに合わせて取締役上級副社長兼最高マーケティング責任者(CMO)アリアン・ クルーガー氏が来日し、インタビューに応じた。

 クルーガー氏は「ホテルやLCCを含む航空会社の新規参入などの動向を分析した結果、観光市場の成長が著しいアジア太平洋地域で戦略的に事業を拡大していく」と話し、その中で日本でのインバウンド事業を開始した理由を次の2点と述べた。第1に、日本政府がビジット・ジャパン事業に注力していること。第2に、日本にはブランドや店舗数が多く、小売業態が充実していて、買い物客にとって魅力のある市場ということだ。

 日本では、旅行会社と提携したプロモーションも実施する考え。インバウンドを取り扱う旅行会社を中心に、共同でプログラムの展開を計画している。グローバルブルーは北京、上海、ソウルに事務所を構えており、過去の旅行会社との共同プログラムでは、中国のアウトバウンドの旅行会社約150社と提携し、ヨーロッパに旅行する中国人にヨーロッパのブランドのプロモーションを実施したことがある。

 今後の日本での展開は、提携先の開拓が最優先事項となる。東京を中心に、訪日外国人による消費が売上金額の1割程度を占める店舗を目安として、百貨店、高級ブランド、家電・電子機器、ユニクロといった日本発ブランドなどを開発していく。

 開始から1年程度は投資期間と位置づけ、日本で提携先を開拓するとともに、国外でのプロモーションを進めていく。今後1年以内に25から30ブランド、200店舗以上でサービスを提供したいとし、3年以内に収益の上がる事業に成長させることが目標だ。