日本航空、第1四半期は純利益127億円、顧客単価が2桁増

  • 2011年8月3日

 日本航空(JL)の2012年3月期第1四半期(2011年4月1日~2011年6月30日)の連結業績で、売上高は2549億1000万円、営業利益は171億6900万円、経常利益は159億800万円、四半期純利益は127億5700万円となった。2010年度に実施した不採算路線の整理や機材退役による運航費用の削減、機材のダウンサイズ化などがコスト削減につながったほか、4月から導入した部門別採算制度の導入により業務効率化をはかった。JL会長の稲盛和夫氏は更生計画で営業利益757億円の達成を掲げていることを挙げ、「第1四半期でいい成績があがっているので、757億円を超える数値も十分可能性があると思っている」と自信を示した。

 国際線旅客収入は788億円。日本発のビジネス客は堅調に推移した一方で、海外発の旅客が東日本大震災や原発事故による渡航自粛などの影響を受け減少。旅客輸送量を表す有償旅客キロ(RPK)は40.2%減少した。これに対して、座席供給量を表す有効座席キロ(ASK)を、路線便数の見直しや機材小型化の推進、震災の需要低迷に応じた運休・減便により29.4%減としたものの、RPKの減少を補うまでには至らず、ロードファクターは11.0ポイント減の61.1%となった。

 国内線収入は1004億300万円で、国際線と同様に機材退役や小型化の推進で収益性を改善。震災の影響による旅客需要低迷にあわせて減便などをおこなった一方で、被災地支援のためボランティア団体や支援物資の無償輸送や、羽田/花巻線、羽田/仙台線を臨時運航するなど対応した。ASKは26.6%減、RPKは29.0%減となり、ロードファクターは1.9ポイント減の56.1%だった。

▽顧客単価が上昇-国際線は28%増、国内線は13%増

 JL社長の大西賢氏によると、事業規模を縮小したことで旅客数も減少したものの、イールドの高い顧客を維持でき、単価が上昇しているという。第1四半期では、国際線が28%増、国内線が13%増となった。一方で、ロードファクターは低下しており、「需要喚起することでお客様に戻ってきていただき、ロードファクターを高め、イールドを維持もしくはさらに伸ばしていく必要がある」と述べた。ロードファクターを高めるためには間際予約化にも対応しなければいけないとした。