成田、3月の方面別旅客数は全方面前年割れ−10年度はアフリカ、アジア好調

  • 2011年4月25日
 成田国際空港(NAA)によると、3月の国際線方面別旅客数は全方面で前年を下回った。減少幅が大きかったのは49%減の台湾で、ついで香港が40%減となった。一方、2010年度(2010年4月〜2011年3月)の国際線方面別旅客数は、アフリカで39.9%増の4万4500人となったほか、アジアが3.2%増の279万8500人、中国が1.7%増の184万1200人、欧州が1.5%増の203万4200人と前年を上回った。3月の減少幅が大きかった台湾は10.7%減、香港は7.9%減となった。

 2010年4月から東日本大震災発生前の2011年2月までの方面別旅客数をみると、台湾は1ケタ減の6.7%減、香港も4.6%減だった。太平洋やオーストラリアでもそれぞれ0.8%増、1.3%増と前年を上回る旅客数だったことから、震災が需要の減少に大きく響いたことがわかる。航空機の発着回数でみると、震災前は週500回から520回だったものが、3月11日以後は450回から470回と減少、定期便数も震災前と比べて約10%減少したという。

 なお、3月の総旅客数は前年比29%減の217万5406人であったが、SARSの影響を受けた2003年5月の37%減、9.11事件の影響を受けた2001年10月の31%減と11月の30%減に次ぐ、過去4番目の落ち込みとなった。なかでも国際線外国人旅客数は34%減の49万4326人と過去最低を記録。諸外国の渡航制限が緩和、撤廃される中、福島第一原子力発電所事故の影響がいまだ色濃く現れているが、外国人ビジネス客が戻りつつあるといった動きも出てきているという。





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