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投稿:震災後、ある旅行者から勇気づけられた一言(海外ホテル予約旅行会社)

  • 2011年4月4日
アイエムエイホテルズ会津オフィス・柴部眞知夫氏
※旅行会社向けに発行する同社のメールマガジン3月号から
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 このたびの「東北・北関東大地震」で被災にあわれた皆様に、心よりお見舞
い申し上げます。

 犠牲になられた方々、ご遺族の方々に謹んでお悔やみを申し上げるとともに、被災地の寒空の下で現在不自由な生活を強いられながらも懸命に頑張っていらっしゃる方々にとっては一日でも早い事態の終息と、地域の復興を心よりお祈り申し上げます。

 東北地方・北関東を襲った巨大地震から早や半月以上が経ちました。津波による被害の全貌はまだつかめず、原発事故の危機は今なお続き、また風評被害もかなり深刻なものとなっています。

 オペレーション部門のある「会津オフィス」ではコンピューターなど事務機器類や書類、さらに神棚までもが宙を舞って粉々になってしまいました。地震直後から全ての通信手段がストップしましたが、幸いにも市内は電気、水道などのインフラには殆どダメージが無く、通信も徹夜の復旧作業の末、3月13日の夕刻に一部回復、翌日には全て回復しました。

 「本社オフィス」のある半田市では、今年も恒例の春祭りのトップを切って、「喧嘩祭り」として有名な「乙川祭り」が開催されました。東北・北関東の地震被害を配慮して、宵宮を取りやめたり路上での飲酒を禁止したりで例年よりかなりおとなしい祭りとなりましたが、地域、ひいては日本の心意気を劣化させない為にも伝統的な祭りを開催したことは意義があったと思います。

 そんな日々の中で今回の高校野球の選手宣誓...「宣誓。私たちは16年前、阪神淡路大震災の年に生まれました。今、東日本大震災で多くの尊い命が奪われ、私たちの心は悲しみで一杯です。被災地ではすべての方々が一丸となり、仲間とともに頑張っておられます。人は、仲間に支えられることで大きな困難を乗り越えることが出来ると信じています。私たちに今できること、それはこの大会を精一杯元気を出して戦うことです。頑張ろう! 日本。生かされている命に感謝し、全身全霊で正々堂々とプレーすることを誓います。」この宣誓を聞いて涙がでました。春はそこまで来ています。

 また震災のあとヨーロッパに発たれた、あるお客様から、こんな内容の言葉をいただきました...「大事が起こると必ず、日本が大変な時に海外旅行に行くなんて不謹慎だと非難する人がいるけれど、ケース・バイ・ケースで対応するべき。今回の場合、幸運にも被災しなかった自分にとって、オタオタせずに飄々と海外旅行を楽しんでくることも長い目で見れば『日本』のために貢献できることの一つではないか。ビジネスであれ観光目的であれ、多くの日本人が海外で堂々としている姿を見て、『日本の底力』を再認識したり、一旦キャンセルした『訪日旅行』を再度計画する外国の人々も多いと思う。」旅行業に従事する者にとっては非常に力付けられるメッセージをいただきました。そして先日そのお客様から、「パリを満喫して無事帰国」とのメールを頂戴しました。

 今回の出来事を機に、当社は日本の旅行業者の一員として、日本の国力のパワーアップに旅行業を通して少しでも貢献出来るよう(小さな一石だとは思いますが)一歩一歩進化する努力を続けて行きたいと考えております。

※メッセージは4月2日に受け取り、確認の上、掲載しました。

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