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旅行会社、クライストチャーチへのツアー中止期間延長−慎重な姿勢崩さず

  • 2011年3月22日
 ニュージーランドのクライストチャーチ付近で発生した地震の影響で、大手旅行会社各社はクライストチャーチを含むツアーについて、催行中止期間を延長している。3月18日現在、外務省の危険情報は発出されていないが、各社とも引き続き現地の状況を見ながら催行の可否を慎重に判断していく考えだ。

 ジェイティービー(JTB)、近畿日本ツーリスト(KNT)、日本旅行はニュージーランドへの旅行のうちクライストチャーチに滞在するパッケージツアーの催行を4月30日出発分まで中止する。KNTによると、ニュージーランドを訪問するツアーのほとんどがクライストチャーチに滞在するツアーであり、3月18日現在催行するツアーはない。また、日本旅行によると、クライストチャーチ現地のホテルが閉鎖しており、立入禁止区域内のホテルも多く状況が確認できないことや、クライストチャーチの主要な観光地も地震による影響を受けており、そうして現地状況を踏まえて催行中止期間を延長したという。

 エイチ・アイ・エス(HIS)では3月31日まで、ジャルパックは4月28日まで、クライストチャーチを訪問するツアーの催行を中止する。なお、ジャルパックでは4月29日から5月2日出発分に関し、ニュージーランドの地震を理由に予約を取り消す場合は取消料を免除する。

 一方、阪急交通社はニュージーランドのツアーについて「会社全体として催行中止にはしていない」とし、各地区の営業所、担当者に判断をゆだねている。同社によると、ニュージーランドのツアーは地震の影響でキャンセルが続き、2月末時点では3月、4月のツアーはほぼ催行中止だが、一部少人数で催行するツアーもある。ただし、クライストチャーチに滞在する場合は旅程の変更や、宿泊を近隣の宿泊地へと振り替えるといったケースがあるという。取消料については、催行する場合は通常通り収受するが、旅程の変更を理由に取り消す場合は取消料を免除する。

 ニュージーランド政府観光局によると、クライストチャーチは立入禁止区域はあるが、復興が進んでおり、クライストチャーチ空港(CHC)もオープンし、観光客の受け入れも開始している。クライストチャーチを除くニュージーランド全土は「通常通りオープンしている」とし、地震時にはキャンセルもあったが、徐々に観光客も戻ってきているという。同局ではクライストチャーチの状況や日本での東北地方太平洋沖地震の影響をみながら、今後リカバリーキャンペーンなどを実施していく考えだ。