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新しい価値観を発見する機会として海外旅行の提案を−JTBレポート2010

  • 2010年7月22日
 ジェイティービーはこのほど、「JTBレポート2010」を発行した。主な内容は2009年の海外旅行総括と今後の海外旅行の動向。このうち、今後の海外旅行の動向については「2010年の海外旅行マーケットの展望」のほか、「初めての海外旅行の影響力と若者の海外旅行」についてアンケート調査から見出したヒントを掲載した。

 これによると、初めて海外旅行をした時期、目的は時代に応じて変化しており、1980年代は「新婚旅行」、「卒業旅行」。1990年代前半から中盤は「子供づれの家族旅行」、1990年代後半からは「留学・語学研修」「修学旅行」となっている。いずれも若い世代が対象のキーワードが並ぶが、2000年以降は新しいキーワードが見出しにくいという。一方、最近の若者に共通する感覚に「生き難さ」があることから、同レポートでは若者への重要な課題のひとつに「これからの時代を積極的に生き抜くための新しい価値観の確立」をあげ、「新しい価値観を発見する機会としての海外旅行」という側面を強調すべき時代に入ったとしている。


▽有効旅券数が大幅減少

 2009年の日本人海外旅行者数は前年比3.4%減の1544万5684人で、1964年の海外観光旅行自由化以来、初めて3年連続で前年を下回った。2009年の減少は一般的に、新型インフルエンザの世界的な流行による企業・団体の出張自粛や海外旅行の中止・延期が主要因と認知されている。ただし、同レポートでは、外務省が公表する2005年から2009年の有効旅券数の統計で有効な旅券数が400万以上減少し、2009年だけでも100万以上減少していることを指摘。新型インフルエンザの流行がなかったとしても、日本人の海外旅行マーケットの規模が急速に拡大する可能性はきわめて低かったとしている。