欧州委員会、BA・AA・IBの共同事業を承認、大西洋路線対象−BAとIBの合併も

  • 2010年7月16日
 欧州委員会は7月14日、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)とアメリカン航空(AA)、イベリア航空(IB)の3社による大西洋路線での業務提携を承認した。ロンドン/ニューヨーク(JFK)線などの路線で競争を阻害する可能性が焦点となっていたが、3社がヒースロー空港の発着枠を開放することなどにより問題ないと判断した。これにより3社は、米国運輸省(DOT)の認可が得られれば太平洋路線で共同事業を開始できるようになる。

 3社が手放す発着枠は、ロンドン発着のニューヨーク(JFK)とボストン、マイアミ、ダラスの各路線が対象。ニューヨークは1日3便、ボストンは1日2便、マイアミとダラスは1日1便で、最大週49便を競争相手に開放することになる。競争相手がこれらの路線に新規就航するのは早くて2011年の夏スケジュールから。このためには8月26日までに申請手続きを開始する必要がある。このほか、FFPや運賃関連の競争確保についても対応した。これらの決定は10年間有効という。

 欧州委はまた、BAとIBの経営統合も承認。短距離から長距離まで多数の路線について分析した結果、競争環境の深刻な妨げにはならないと判断したという。

 なお、競争相手の1社であるヴァージン・アトランティック航空(VS)は、3社の共同事業について、BAとAAが持つヒースロー空港の発着枠は全体の47%を占め、今回承認された発着枠の開放などでは競争は確保できないとする声明を発表。この中で、VS会長のリチャード・ブランソン氏は「欧州委員会の意思決定プロセスにおいて消費者が最重視されていないことに、いまだ重大な懸念をいだいている」と批判した。