フランダース、日本人20万泊の早期回復ヘ−春の強化と需要の通年化ねらう

  • 2010年6月8日
 ベルギー・フランダース政府観光局東京支局長の須藤美昭子氏は、このほど開催したトラベルセミナーで本紙取材に応じ、日本人総宿泊数20万泊の早期回復をめざす考えを説明した。2009年は新型インフルエンザや景気後退などにより前年比20%減の15万泊となった。目標達成に向けては、人気の高い春の需要をさらに積み増すとともに、春以外の季節の魅力も打ち出す方針だ。

 須藤氏によると、フランダースの観光需要はチューリップが見ごろの春に集中しているという。2009年は他の月が約2000泊から7000泊であるなか、4月の宿泊数は約1万1000泊となった。ピーク時の宿泊施設の混み具合も落ち着いてきているといい、ブリュージュなどでは宿を押さえやすくなったことから、積み増す余地があるとの考えだ。

 一方、需要の通年化について、セミナーに合わせて来日した本局マーケティング・ディレクターのピイト・ヨンカース氏は、「フランダースは小さいながらも美しい要素が豊富にあり、1年を通してどの季節も訪れる価値がある」とアピール。セミナーでは、秋の紅葉の美しさや冬のクリスマスマーケットなどの魅力を紹介した。なかでもクリスマスマーケットは1月6日まで実施されており、年末年始の商品にも組み込めるという。

 このほか街歩きもアピールし、各都市の特徴を活かした滞在プランを提案。また、充実した鉄道網と都市間の近さから、都市同士を組み合わせた周遊プランも紹介。画家ブリューゲルの描いた美しい庭や自然をめぐる、ブリュッセルを起点とした「ブリューゲル街道の旅」や、ブリュージュやゲント、ブリュッセルの移動間に組み込める、運河の光景や田舎での体験など郊外の素材の魅力を訴えた。