JATA市場調査、海外旅行は全方面で復調傾向−3ヶ月後見通しも期待高く

 日本旅行業協会(JATA)が2月中旬から下旬にかけて実施した旅行市場動向調査で、現況(1月〜3月)の海外旅行のDI値(※)はマイナス50となり、3期連続で上昇した。全方面で復調傾向にあり、前回調査時から16ポイント上昇している。また、ゴールデンウィーク(GW)を含む3ヶ月後(4月〜6月)の予想では、マイナス32と18ポイント上昇が見込まれており、上海万博が開催される中国や好調のシニア層への期待がかかる。

 業態別では、総合旅行会社が前回調査比13ポイント増のマイナス33と好調に推移した。また、インハウスでは29ポイント増のマイナス36となり、大幅に回復。取扱額30億円以上のリテーラー1のみ前回と同じマイナス64となったが、それ以外は全て復調傾向にあるという結果になった。3ヶ月後については全業態で回復するとの見通しだ。顧客層別では、卒業旅行シーズンと迎えた学生が12ポイント改善しマイナス10になったほか、OL、インセンティブ、商用・視察も7ポイント上昇し全顧客層で回復した。GWを含む3ヶ月後は学生を除く全顧客層で改善するとの予想だ。特に、シニア層は21ポイント、ファミリーは15ポイントと高い上昇が見込まれている。

 方面別では、低迷していたアメリカ・カナダ、ハワイも回復傾向にあり、3ヶ月後も伸びるとの予測だ。アジアを始め全年同期比では全方面でプラスに推移した。また、新型インフルエンザで旅行を控えたり近距離方面の旅行で我慢していた消費者が回復してきている、ととらえる旅行会社もありヨーロッパも13ポイント上昇する伸びを見せた。

 なお、国内旅行の現況のDI値は16ポイント増のマイナス50となり、前回予想値のマイナス60を上回った。さらに、3ヶ月後にはさらに16ポイント上昇しマイナス34と見通している。


※DI値は設問事項に対し、「良い」、「普通」、「悪い」、「取扱なし」の4回答を用意、この回答からシェアを算出するもの。「全て良い」場合にはプラス100となる。JATA調査では、JATA会員会社の経営者などに対してインターネットでアンケートを実施し、業態、顧客層、方面別に業況判断をDI値を導出している。今回の設定数は617社で、うち217社から回答があった。