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NTS、公示運賃の予約・発券をネットで受け付け−利便性向上でボリューム拡大へ

  • 2010年1月21日
 エヌ・ティー・エス(NTS)のリテーラー向け公示運賃予約・発券システム「クリックチケット」の展開が順調だ。同システムはネット上で利用でき、日程と発着地を入力するだけで安いものから順にフライトの組み合わせを表示し予約することができる。アライアンスの指定なども可能だ。また、ネット上の簡単な操作で発券まで完了できるほか、レギュレーションを日本語で表示するなど公示運賃の知識がないスタッフでも容易に利用可能な点が売りだ。現在のところ、予約変更に対応できず、FFPと座席指定以外のリクエストもネット上でできないことから、完成度は「7割程度」(NTS高橋良明氏)。しかし、月額使用料無料のキャンペーン効果もあって店舗ベースで60件超、課金ベースで数百台の契約を獲得するなど反応は順調で、3月までに200店舗での導入をめざす考えだ。

 予約・発券可能な旅程は、単純往復、オープンジョー、2都市周遊のみ。ゼロコミッションにより業務の効率化を図らなければならない中で、単純な旅程をネットに集約し、NTSオフィスでは複雑な旅程の発券を引き受けられるよう業務を整理する。また、システムの導入店舗の拡大は、NTSにとって1件525円の手数料収入と1店舗あたり1ヶ月5000円のシステム使用料が見込めることに加え、ボリュームの確保のメリットにもつながる。ゼロコミッションによりボリューム確保を迫られるなかで、システムを利用して拡大を図るNTSの動きは特質的といえそうだ。

 店舗側にとっては、知識を必要とせずに公示運賃の予約と発券が可能なため、これまで海外航空券を取り扱ってこなかったリテーラーでも気軽に導入が可能。インハウス旅行会社では、BtoBtoCの機能として提供することもできる。また、24時間操作できることも利便性につながる。さらに1ヶ月5000円の使用料のみで複数のスタッフが同時に利用でき、個人ごとの実績を管理する機能も利用可能だ。

 今後の可能性について高橋氏は、現在ワールドスパンのみの接続GDSの拡充のほか、ミールリクエストなどへの対応を進める方針を説明。また、ウェブサイトとの親和性も高いことから、他社ウェブサイトへの導入もめざす。一方、システム上は消費者に直販することも可能だが、この点については「いずれ他社が始めれば考えなければいけない」と含みを持たせつつ、現状では決定した事項はないとした。